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「ふるさと納税」のバカらしさ

私は今、中間選挙が終わったロサンゼルスから羽田に着陸しようとしている。トランプ大統領の支持は依然根強い。中間選挙はトランプの予想通りだ。日本のメディアは、トランプの支持率は40数パーセントで不支持率を下回っているといつも言っているが、民主党の議員で支持率が20%以上ある議員などはほとんどいない。だから中間選挙でオバマ前大統領が大舞台に出てくる有様で民主党には玉はいない。日本にいながらアメリカの政治、経済を語るのは危険である。それは戦前の日本国である。実際アメリカにいると日本のメディアの報道はおかしいとわかる。

 

話は変わるが、「ふるさと納税」の話である。ふるさと納税は寄附金控除の対象となって、税金がそれによって安くなるというもの。日本の税法では「寄附金」の定義を昔から決めている。お金を支出した相手から「反対給付」がないことである。つまり、寄附をしても相手から何も見返りがないのが「寄附金」控除の対象となる。企業や個人が政治家や政党に寄附をしても、それによって寄附を受けたほうが便宜を図らないというのが大原則。ところが「ふるさと納税」の寄附は、寄附をしたことによって、牛肉だとか電化製品がもらえて、税金も安くなるという。税法を国が歪めて適用するのはいかがなものかと思うが、しかしいかにも日本的である。

 

でも、さすがに政府もおかしいと思ったのか、ふるさとの特産品に、テレビ、ガソリン券、本州の町が北海道旅行券などを掲げるに至っては、どこが「ふるさと納税」か。かつて総務省は、過当な返礼品競争が地域格差を生むので、返礼品については地場商品や寄附金額の30%以内に抑えるよう指導していたが、地方は無視。来年度税制改正に向けて自民党の宮沢洋一税調会長は「税制で対応する必要があるときは税法を変えないといけない」とまで発言した。

 

東京都知事、小池百合子氏は、本来あるべき都の税収が「ふるさと納税」や「地方交付税」によって奪われているとし、「都から奪った税金が地方にどのような効果をもたらしたのか、PDCAサイクルで検証し、偏在是正の最終目標を示すべきだ」と。

 

過当な返礼品競争が新たな地域格差を生み、税の本質を曲げている現在、総務省も動かざるを得ない。今年が「結構なお品を頂戴」できる最後の年になりそうだ。

 

 

☆ 推薦図書 ☆
新潮文庫編集部編 『山崎豊子読本』 490円+税
私は山崎豊子の著作物は全て読んだつもりだ。彼女は1924年(大正13年)、大阪・船場の老舗、昆布の小倉屋山本の娘として生まれた。実は私は覚えていないが、山崎豊子が私のおじの取材担当だった当時の毎日新聞記者時代、私はたびたび彼女に抱っこしてもらっていたそうだ。彼女はだいたい週刊毎日に連載をし、単行本は新潮社から出版していたと記憶している。
この本は、デビュー作から命を削って書いた絶筆「約束の海」まで、すべての日本人のために書かれた全作品を徹底解剖している。今まで明らかにされなかった戦争と恋の日々を綴った日記や、素顔を知る編集者の座談、そして著名な作家による山崎豊子に対するコラムも収録している。
山崎豊子の入門書であるが、彼女のデビュー作「暖簾」は自分の実家がモデル。その後「ぼんち」など船場文化を世に知らしめた後、「白い巨塔」で日本の医学界の暗部を描いたが、私がよく知る医者たちは、山崎豊子が描いた医学界は今も同じだと言う。その後「華麗なる一族」や「二つの祖国」、JALの墜落の原因に迫った「沈まぬ太陽」など、傑出した女流作家であった。その信念は私も見習わなければいけないと思っている。

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