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税金還付金詐欺のアメリカ、日本でも可能か?

現在、日本は個人の確定申告の真只中である。大勢の人々が3月15日までに税務署へ足を運び相談、申告するが、実はそのほとんどが納税するのではなくて、事業者以外の人は税金の還付を受けるのだということをご存知だろうか。

 

海の向こうのアメリカでも還付金を受け取る人々はいる。ほとんどが、源泉徴収税額が大きかった者たちだが、この還付金を搾取しようとする輩がアメリカに大勢いる。日本では、まだそのような詐欺師はいない。せいぜい「オレオレ詐欺」だが、IT時代の今、そのうちアメリカのように税金還付金詐欺が出没する可能性は十分ある。

 

それではアメリカの税金還付金詐欺師の手口とは、どういうものだろうか。フォーブスによると、IRSから納税者の預金口座に税金還付金が入金される→詐欺師は納税者に電話をして、詐欺師の口座にその税金還付金を振り込ませる。

 

なぜそのようなことができるのだろうか。詐欺師は先ず、フィッシング等の手口で会計事務所から個人情報を盗む。そして、嘘の確定申告書を作成し、IRSに電子申告する。IRSは税金還付金をその者の口座に振り込む。その納税者は還付金などくると思っていない、詐欺師はIRSになりすまし「間違えて、あなたの口座に振り込んだ」と電話をして、詐欺師の口座に振込ませるというもの。それでも騙されない者には、IRSからの自動電話を装い、録音されたテープの声で、「IRSの返金要求に応じない場合は、あなたは犯罪者として告訴される」とか、逮捕状を執行するとか、さまざまな脅し文句を駆使し、還付金を返還させるというもの。

 

IRSはこのような手口の詐欺を防止する対策として、①銀行口座に振り込まれている場合は、その銀行に連絡し、そのお金をIRSに返金してもらう。②小切手で返金する場合は、VOIDと裏書をしてIRSに返送する。それと併せて簡単なレターを添付する、などである。しかし、詐欺グループから還付金の返還請求が来ているということは、その納税者の銀行口座がすべて洩れているのであるから、すぐにその口座をクローズし、そして会計事務所にその旨を連絡しはいといけない、とIRSは警告している。

 

アメリカも現在、確定申告期だが、IRSに電子申告して、税金が還付された場合、そのソーシャルセキュリティ番号が既に存在しているので、Tax Paper Guide to Identity Theftのガイドラインに沿った行動をしなければならない。その場合にはForm 14039 Identify Theft Affidavitを添付して、必ずペーパーで申告するようにと、そしてIRSは納税者に対して絶対電話やメールをすることはないとしている。この点、日本の税務署は納税者に対して平気で電話をする。まだまだ日本は甘いのだ。新手の詐欺が出てくる可能性は十分ある。

 

 

☆ 推薦図書 ☆
浅部伸一監修 葉石かおり著 『酒好き医師が教える 最高の飲み方』 日経BP社 1400円+税
私は酒飲みだから、この本を買ったが、酒を飲まない人には無縁の本であることをまずお断りしておく。
この本は、酒は「毒」か「薬」か、最新の医学でわかった「正しい」飲み方を徹底解説している。「適量の酒を飲んでいる人は長生き」といわれ、酒好きの多くは健康に対して自信過剰である。はたしてそうだろうかという疑問の書である。「適量」を守るのに越したことはないが、それを守るのは大変である。ただ「適量」を意識するだけでも飲み方は変わってくる。現在アルコール依存症は110万人を超える。その予備軍というべき多量飲酒者は、なんと980万人いると厚労省は言っている。著者の医師によると、夫婦で訪ねてくるアルコール依存症が多いが、妻が「私とお酒、どっちが大事なの?」と聞くと、夫は間違いなく「お酒」と答えるという。アルコール依存症は離婚率が極めて高いという。血液検査で肝機能値(y-GTP)を知っておくのも良い。ただ人によって違う。ちなみに私などは毎日欠かさずワインを1本以上飲んでいるが、この数値は上がらない。この書のまえがきにもあるが、「酒は飲むものではなく、味わうもの」を私は実践している。味わっていれば量には関係ないかもしれない。

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