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大麻に対する税金、アメリカならでは?

アメリカでは大麻を医療として使用する州が増えている。コロラド州やワシントン州では医療目的以外に嗜好品として法的にも認められている。しかし、税法ではControlled SubstanceのSchedule Ⅰ and Ⅱとみなされ、違法とされている。IRS(アメリカ国税庁)は、そんなことはどうでもいい。大麻を売って儲けた者は税務申告して税金を納めよとしている。これに対して、カリフォルニア州オークランドやサンノゼで医療用大麻を販売しているHarborside Healthcare Centreが税務裁判所で訴訟を起こした(税務裁判所とは、アメリカでは法律のなかでも税法はきわめて複雑怪奇で他の法律専門家ではさばき切れないので、一般の裁判所とは別の裁判所を設置している。日本もこれは学ばなければならない)。

 

Tax Code Section 280Eによると、大麻販売は、違法、合法にかかわらず全て課税、必要経費は製造コストのみであるとしている。しかし製造コストなどほとんどなく、他の経費、人件費や交通費、交際費などを経費として認めないのであるから、売上の半分近くが税金となる。合法的な大麻製造所は、これは深刻かつ重大な問題であるとしている。

 

1981年にJeffrey Edmondson v. Commissioner事件があった。Edmondsonは覚醒剤、コカイン、大麻を販売する事業を行っており、1974年には110万個の覚醒剤の錠剤を、100ポンド(45キログラム)の大麻、13オンス(369グラム)のコカインを受け取った。しかし、彼は期首の在庫数は数えておらず、期末の在庫はコカイン8オンス(227グラム)だけ確認できたが、売上、費用に関する帳簿は何もつけていなかった。手元にある資料から損益計算書を作りあげ、10万5,300ドルが原価だと主張、税務裁判所は仕入原価の他、電話代、車輌費、家賃、リース料などを損金として認めた。これに納得できなかった政治家やIRSは、1982年に議会で現在あるSection 280Eを成立可決させ、このような薬物販売における必要経費は製造コストのみということになった。

 

ところが、2007年にCalifornia Helping to Alleviate Medical Problem (CHAMP) v. Commissionerという訴訟が発生。この件ではCHAMPが医療用大麻のみを扱っていたわけではなく、カウンセリング、健康ランチ、衛生用品、ヨガもやっていた。2002年、会社閉鎖により最後の確定申告を行った際、IRSからSection 280Eの適用を受け、給料、家賃、その他の経費計上を全て否認され、35万5,000ドル(4,000万円)の追徴課税を受けた。その後の訴訟で税務裁判所では、医療用大麻ビジネスとそれ以外のビジネスに分け、経費をそれぞれ按分するとした判決を行った。

 

2015年にはOlive v. Commissionerという訴訟で、Oliveという大麻製造所である。IRSはSection 280Eを適用し、大麻販売のみを行っていると見做し製造原価しか損金計上を認めないと決定したが、結局、ヨガ、マッサージ、ハーブ吸入器、介護等のサービスを行っているとしてCHAMP同様、経費按分で結着した。

 

冒頭のHarborside社は売上3,000万ドル、患者22万5,000人を抱えるのに対し、IRSは240万ドルの追徴課税を行っている。HarborsideはCHAMP訴訟で勝った弁護士を雇っている。この先見ものだが、日本では考えられない。コカインや覚せい剤の販売業者がそもそも国税局から脱税容疑で捕まったことはない。それ以前に、警察にお縄で終わりである。儲かった金に税金はかかっていない。アメリカでは麻薬販売であろうが強盗であろうが、儲けた金には国税がかかる。合理的である。

 

 

☆ 推薦図書 ☆
矢吹省司著 『腰痛は「自分」で治せる』 創英社 952円+税
この本は医師が伝える腰痛改善のバイブル、「自分」で治せる腰痛の決定版。日本人の4人に1人、2,800万人が腰痛持ち。これだけの人が腰痛を感じているということは、それだけ心身ともにストレスを感じている人が多いということであり、肉体的には、ずっと同じ姿勢をとっていたり、腰によくない動きを繰り返していたり、精神的には「仕事がきつい」「人間関係がうまくいかない」と感じていたりする。腰に無理をさせない範囲で体を動かすことで、腰痛に負けない体をつくることができる。
現代の医学では腰痛の85%が原因不明だといわれている。原因がわかっても治らなければ意味がないし、原因がわからなくても治ればいいのである。やってはいけない対処法は筋肉や組織を傷めつけるほどの激しい刺激を加えることで、百害あって一利なし。強いマッサージをした直後は痛みが軽減することはあるが、その後でもっと痛くなる可能性がある。もみ返しは、刺激が強すぎるからである。要約すると、腰痛を恐れず、前向きにいくつもの仕事や生活を続けること。そして、前向きに運動を続けていくことが何よりも大事。運動を続けることだそうだ。

 

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