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引退後の人生、どの国に住みたいか

ボストンに本社を置く資産運用会社Natixis Global Asset Managementが世界150か国を対象にしたリタイアメントセキュリティランキングを発表している。リタイアメントした人がどれだけ良い暮らしをしているかを世界ランクした。上位20か国は以下のようである。

  1. Norway

  2. Switzerland

  3. Luxembourg

  4. Sweden

  5. Austria

  6. Finland

  7. Netherlands

  8. Denmark

  9. Germany

 10. France

 11. Australia

 12. Israel

 13. Canada

 14. Belgium

 15. Japan

 16. Slovenia

 17. Czech Republic

 18. Slovakia

 19. United States

 20. United Kingdom

この結果、上位はヨーロッパが占めている。意外なのはアメリカが19位である。発表した会社も驚いたようである。

 

確かにアメリカ人一人当たりの所得は高いが、ビルゲイツやバフェットなど1兆円近い所得のある人もいれば貧民も多い。特に貧しい人のヘルスケア、生活の質、寿命、失業率は先進国かと疑われるような数字である。アメリカはある一定層以上、国民の多分、数パーセントの者たちにとってはパラダイスであるが、貧富の差を考慮すると、ポーランド、スロバキアにも負ける。財政・金融面では28位、アメリカは社会保障面で長期的にシステムを維持できるかに疑問があるとしている。したがって、カナダ、ブラジル、メキシコよりもその面では順位が低い。ヘルスケア、物質的な豊かさの部分での表面上は、アメリカは豊かな国と思われているが、貧富の差が大きく、日本でいうところの格差社会とは比べものにならない。

 

その点ではヨーロッパ諸国はヘルスケア、社会保障が国民全体に平均的に豊かであるとしている。

しかしヨーロッパは人口も老齢化していて、将来の国民の税負担は益々高くなるのが確実なので、どうかと思われる。イラク、アフガニスタン、中南米、アフリカ諸国はリタイアして暮らすには、ほど遠い結果であるのはわかる。

 

日本は15位に入っているが、現実に外国からリタイアして日本に住む人もいない現実があり、はたしてアメリカを抜いての15位は本当なのかと思う。社会保障だが、ヘルスケアを重視するあまり、医療費が膨大になり、近い将来、年間50兆円にもなるという。あるいは年金も、いつまでもつのかは世界が注視しているのも事実。国民皆保険も瀬戸際まできている。福島の問題まで抱えての堂々15位。しかし見落としてるのは相続税である。日本に移り住んできた外国人は、日本で死ねば、その者が持つ全世界財産に過半の相続税が科せられるのである。為に日本脱出する日本人が後を絶たない。ランキングを発表したNatixis Global Asset Management社に日本政府は謝意を表すべきであろう。

 

 

☆ 推薦図書 ☆

山田昭男著 『毎日4時45分に帰る人がやっている つまらない「常識」59の捨て方』

東洋経済新報社 1,575円

著者は1931年生まれ。1965年、未来工業㈱設立。その未来工業は創業以来49年間、売上目標を立てたことがない。1日の業務時間は7時間15分。残業、仕事の持ち帰りは禁止という。したがって仕事の段取りを効率的に考えないと仕事が片付かない。経営者は客を喜ばせ、社員を喜ばせ、感動させることを常に考えるべきで、それができると売上や利益は自然についてくる。また営業マンにはパソコンを禁止している。足で営業をしなければならないのに、メールのやりとりで、つい仕事をしているような錯覚に陥るからである。そして上司から部下への「命令」を禁じ、「説得」「納得」を義務づける。

などなど、人材育成のヒントが山ほど書かれている。

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