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アメリカ富裕層のトップ400人の税金は

オバマ政権になって、個人所得税への課税強化が打ち出された結果、アメリカのトップ富裕者400人の税率が過去最高となった。ちなみに日本では年1800万円超の所得には50%、4000万円超では55%である。

 

アメリカでは超富裕者の定義は年間所得が1億ドル(120億円)の人を指すが、IRS(アメリカ国税庁)の発表によれば、2013年度ではトップ400人の富裕者の平均年間所得は2.65億ドル(320億円)で、払った税金は平均6千万ドル(72億円)としている。この平均税率は22.9%であり、2012年の平均税率が16.7%であったことを思えば、かなりの富裕層増税であったとしているが、日本の55%と比較すれば、考えられない税率である。また、超富裕者は慈善団体にとっても重要で、個人の寄附は日本と違って無制限に税額控除ができるので、大変ありがたい存在である。3億6000万人のアメリカ市民の僅か400人が、全ての寄附金の6%超を占めていて、彼らの1人平均寄付金は3280万ドル(40億円)にもなる。

 

この超富裕者の所得構成は、普通の人とは当然異なる。アメリカのサラリーマンは、所得3万6000ドル(430万円)以上の独身者は約25%の税金を払い、8万8000ドル(1000万円)以上は28%ほどの税金になる。そして40万ドル(5000万円)を超える者は39.6%のアメリカの最高税率(日本は55%)を払う。アメリカは夫婦合算課税であるので、独身者でなければ45万ドル(5400万円)を超えると39.6%の税率となる。しかし超富裕者の収入はサラリーではなく、配当とキャピタルゲインである。

 

ブッシュ大統領時代にキャピタルゲインの税率が15%と低くなった。それ以来、トップ400人富裕層は収入をキャピタルゲインや配当収入など不労所得になるように、税金戦略を変更してきた。ウォーレン・バフェットなど、この戦略が功を奏し、2012年にはなんと、所得税の平均税率を16.7%まで押し下げた。しかし、2013年からオバマ政権により、キャピタルゲインや配当に対する課税が強化され、さらにオバマケアによる3.8%サーチャージでキャピタルゲインの最高税率は23.8%となった。そのため前年の2012年に、多くの超富裕層はこの増税を避けるために株式の売却を大量に行った。

 

今回の大統領選でも、この税制が論点となっている。民主党候補のHillary ClintonやBernie Sandersは不労所得にはさらなる増税をというスローガンを掲げている。一方、共和党でテキサス出身のTed Cruzは10%に、フロリダ出身のMarco Rubioはゼロ%にせよと言っている。Donald Trumpは20%と言っているが、富裕者にはそれ以外の減税を用意するとしている。

 

日本の選挙では個人の所得税の税率は争点になったことはない。ほとんどのサラリーマンは源泉徴収だけで、いったい自分は何%の税率で収入から税金を取られているのか自覚がない国と、全てのサラリーマンが確定申告しなければならない国の違いか。消費税率だけが争点になる珍しい国、税金の意識が低いと言っては過言か。

 

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著者は吉田松陰や貝原益軒、正岡子規、V.E.フランクル、西郷隆盛などの死に対するスタンスを見事に記している。吉田松陰は死への積極的な向かい方、つまり「死を迎え撃つ」。彼は切腹も叶わず首を斬られるという罪人として処せられたが、死してなお魂は残るのだから潔く受け入れた。松陰は首を斬られる直前、刀を持った役人に「御役目ご苦労様です」と言った。その見事な最期は考えさせられる。

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