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トランプ政権、エスカレートする不法移民対策

トランプ政権は、様々な手法を使い不法移民排除を進めているが、ICEが街中で不法移民をまるで動物のように扱い、拘束し、国外退去をさせる強引なやり方の結果、アメリカ市民を既に2名を殺害することになったので、アメリカ人からも批判を浴びることになってしまった。一方で国土安全保障省は、IRSのデータにアクセスし、不法移民者とみられる者の確定申告書から居場所を突き止め、更には拳銃を携帯しているIRSの特殊刑事部門の税務署員を動員し、不法移民の拘束を始めている。不法移民者がなぜ確定申告をするのかは、日本では考えられないが、アメリカでは、不法移民でも将来、アメリカでの永住権・グリーンカードを取得したい者は、タックスペイヤーとして確定申告をしており、その際ソーシャルセキュリティ番号が無いので、それとは別の納税者番号(TAXID)を取得し、申告を行っているのである。
さらに、最近トランプ政権が積極的に行っているのが、民事上の罰金である。移民法裁判所において、アメリカにいる法的資格はないと判決を受けたにも拘わらず、引き続きアメリカ不法滞在している移民に対し、不法滞在1日毎に998ドル(16万円)課すという通知を、これまで10万通以上に出状しているとNY Timesは報じている。この背景にあるのは1996年に議会で可決された移民法の中で、国外退去命令の出た不法移民に対し毎日998ドルの罰金を科すことが出来るという法が根拠だ。最近の国土安全保障省の発表では、不法移民に対し通知された罰金は総額840億ドル(13兆3500億円)に上るとされている。この法律は、第1次トランプ政権が発足するまで、どの歴代大統領においても執行されていなかった。バイデン政権になり一旦中止されたものの、第二次トランプ政権で復活し、もし罰金を払わない場合は自発的に国外退去を迫り、更に、支払いを行わない不法移民に対しては、債権取り立て業者に回され、強烈な追い込みをかけられることになる。この法律を積極的に活用することで、不法移民に対し、財政的、心理的なプレッシャーを与え、そして不法移民を国外退去に追いやるのである。
法律的には時効は5年間となっており、これらの通知を受け取った不法移民の中には、なんと最高額の180万ドル(2億9000万円)もの支払い通知を受け取った者もいる。罰金100万ドル(1億6000万円)以上の通知書を受け取っている不法移民は相当数に上り、中には税金還付金を差し押さえられている者もいる。国外退去を決めた不法移民は、国土安全保障省が定めたアプリを使い、国外退去を行う必要がある。国土安全保障省は現在まで、故意に国外退去者数を発表していないが、罰金で120万ドル(2億円)以上は回収したと発表した。
不法移民にとっては、結婚して子供もおり、家もある人達も多く、政府からの何十万ドルから100万ドル以上もの途方もない金額の支払い義務に愕然とし、財政的プレッシャーにより追い詰められている者は多い。トランプ政権相手に訴訟を起こしている者もおり、中には集団訴訟に持ち込こもうとしている弁護士もいるが、関税政策同様、トランプ政権は執念で不法移民の国外退去政策を進めて行く事には間違いないと各メディが報道している。これで、世界一、命を狙われている大統領、イラン戦争だけでなく国内からも弾が飛んでくるトランプ大統領の警護に、今後膨大な予算が使われるに違いない。この予算捻出のための罰金かもしれない(笑)

★ 推薦図書。
山口真一著 「炎上で世論は作られる」 筑摩書房 990円
SNSは生活の一部になりつつある。特に政治や選挙においては、民主主義を揺るがすメカニズムといっても過言ではない。選挙におけるSNSは政党の政策の重要性の論議は置き去りで、対立を煽る表現が幅を利かしている。また個人や企業への批判が一挙に高まる「ネット炎上」、これは一握りの人間から始まり、それが大規模に見えるのは、批判的な投稿がリポストやシェアを通じて拡がる「拡散の連鎖」による。炎上に参加するのは年収や役職が高い人ほど炎上に参加する。選挙では候補者を消極的に支持する者が多いので、不利なフェイク情報は支持率の低下を招く、著者はつまり、民主主義はフェイク情報に弱い制度、と結論付けている。

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