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ワールドカップとアメリカ税金事情

現在、カナダ、アメリカ合衆国、メキシコで行われているサッカー・ワールドカップは、いよいよ終盤を迎え、敗退した日本でもそれなりに盛り上がっているが、視聴率から言えば、今やドジャースの大谷より下火である。一方アメリカは、アメフト、バスケ、野球に比べると、サッカー熱は今一つの感があるが、日本の報道を見る限り、開催国ということもあり、Watch Partyが様々な所で開催され、それなりの盛り上がりを一応見せている。
今回アメリカは、ベスト16でベルギーに敗れてしまったが、その前のボスニア・ヘルツェゴビナ戦でRed Cardを食らったアメリカのFolarian Balogun選手は即退場となり、更に自動的に次のゲームも欠場となるはずだった。しかし、その後トランプ政権の圧力によりFIFAは前代未聞の次ゲームの欠場を猶予すると発表し、出場が可能となった。驚きである。(アメリカ世論ではRed Cardの審判自体、おかしいとの批判もあるが)。次のゲームの相手であるベルギーは激怒し、FIFAに対し、猶予の判断を覆すよう提訴したが、即却下された。アメリカとの力の差である。しかし試合はベルギーが4-1でアメリカを圧倒的な力で下し、ベルギーにとっては溜飲が下がる思いだったはずである。FIFAはレッドカードの猶予を与えたものの、罰金4万ドルをBalogun選手とアメリカ・サッカー連盟に科すと発表している。
この罰金の取り扱いであるが、Forbesによれば、政府が科した罰金であれば、民事もしくは刑事上法律違反したということで税務上、経費として控除出来ない。例えば、ビジネスミーティングに行く途中でスピード違反をしたような場合の罰金は、それに該当し、控除出来る費用とはならない。ところが、今回のような民間のFIFA、クラブ、連盟による罰金であれば、税法上、それがビジネス上通常必要とされるものであるとすれば、控除出来る費用となる。サッカー界では、メッシは国際大会やヨーロッパクラブ選手権などで少なくとも3回Red Cardをもらい、ロナルドにおいては少なくとも13回Red Cardをもらい、Red Card をもらうことはある意味ビジネスの一環で必要不可欠なものと言える。
選手個人の税金面でいえば、その選手が社員であるか業務委託者であるかにもよるが、通常サッカー選手は所属するクラブの社員か業務委託者であるが、多くの選手はその他スポンサー料等の収入もある。社員である場合には、会社から個人負担分費用の精算されなかった部分については、2017年以前は所得の2%を超えた部分につき控除出来たが、第一次トランプ政権のThe Tax Cuts and Jobs Act(TCJA)により 2018年から 2025年まで、この控除が出来なくなり、One Big Beautiful Bill Act (OBBBA) により恒久的に控除が出来なくなってしまった。一方、もし個人事業主であるような場合には、そのような罰金はビジネスの必要経費として控除出来る費用として扱いが出来るはずである。もし、この罰金が誰に科されているかにもよるが、所属クラブや連盟が支払うような場合には、クラブや連盟はビジネス費用として控除出来る。ただ、クラブや連盟が肩代わりした罰金が選手に責任があり、科された罰金であれば、その選手の個人の報酬として見做される可能性が高い。但し、選手がナショナルチームに参加して罰金が科された場合どうなるのか等細かいことを個々のケースで判断していく必要はあるが、サッカーに不慣れなアメリカではどうなることか。
因みにワールドカップの賞金だが、ベスト16では9位から16位に各1500万ドル(24億円)、ベスト8では5-8位に各1900万ドル(30億円)、4位2700万ドル(43億円)、3位2900万ドル(46億円)、2位3300万ドル(51億円)、優勝国には5000万ドル(80億円)となる。アメリカサッカー連盟の労働協約では、今回の賞金と2027年の女子ワールドカップの賞金をプールし、内20%を連盟が受取り、残りを男子と女子とで折半することになっているという。観客数、スポンサー額など男女では比べ物にならないが、今回男子のみで言えば選手は26人なので、一人当たりの分配金は230,769ドル(3800万円)となる計算である。このように男女で賞金を折半するようになったのは、前回のワールドカップからのようだが、アメリカの場合、女子サッカーはワールドカップで何回も優勝し、それなりに人気がある。力関係が男子より、上だったので、このような画期的な労働協約が出来たと言われる。
それより日本は早々に敗退したが、いまだ勝ち残っていたとすると、選手への分配金もさることながら、サッカーの試合観戦じたい、入場料は1万ドル(160万円)を超えている。何人の日本人サポーターが入れたのか、ここでもアメリカとの経済格差が映し出されている

★ 推薦図書。
岩野耕祐著 「20代で一気に差がつく『仕事の教科書』」アチーブメント出版 1760円
AI時代に「消える人」「残る人」がいる。そのAI時代に突き抜ける人が当たり前にやっている習慣、マインド、スキル、ノウハウを余すことなく書いている。100の情報を知っている人よりも、10の失敗を現場で経験し、乗り越えた人。そんな実力を持つ人こそが、AI時代に本当の実力を発揮する。成功する者には才能はいらない。AI時代にあっても、一歩一歩、一日一日を懸命。真剣、地道に積み重ねていく、夢を実現させ、思いを成就する者はそういう非凡な凡人なのだという。実は私はこの著者をよく知っていて、若くしての成功者だと思うが、この本の通りだと思う、AI時代であっても、どんな時代であっても成功する人の原理原則は不変であると。

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