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日本の税制改正、徹底的に富裕層タタキ

日本の税制改正では、アメリカの富裕層優遇税制に比べて、まさに正反対の税制となった。

 

「小規模居住用宅地等の特例」というのがある。これは親孝行税制ともいわれるが、親と同居している子が、親が亡くなり、その家を相続した場合に、330㎡(100坪)部分につき相続税評価額を80%減額するという制度である。一坪50万円の宅地であれば、5000万円の評価になるが、それが1000万円に下がる。しかし、これはあくまでも親との同居が原則だが、抜け道もある。

 

例えば、親孝行である息子が転勤して地方に赴任したときに、親が亡くなった。そうすると、この特例を受けることができない。そうしたこともあるので、息子に転勤の事情が解消したら必ず親と同居するのであれば、息子は転勤先でマイホームを持たず、寮、社宅、アパートに住んでいるはずである。このような場合、80%減額の特例はOKである。つまり親と同居していなくても、親が亡くなって、その家を相続する場合も、子に持家さえなければ特例を適用できる。これを「家なき子」税制と呼ぶ。ただし、親が亡くなる前3年以内に持家があれば不適用となる。これを拡大解釈すると、親不孝であって、親に寄りつかなくても、子がマイホームさえ持たなければ、80%減額が適用される。

 

今回規制されたのは、別居している子が一軒家のマイホームを持っているが、そろそろ親も年だし、この特例を使うために、その家屋を自分の子に贈与する(敷地である土地は贈与せず、そのまま)。そうすると家屋だけの贈与であるので、家屋の固定資産税評価額が贈与額であり、贈与税も大きくはない。そうしておいて以前と全く変わらず、子一家がそこで住み続ける。そうして親が亡くなっても、その子は(つまり孫の)家に住んでいるので、「家なき子」に該当するというもの。かなり悪質だが、首都圏でこの事例が急速に増えてきた。それはそうだろう。松濤あたりでは、住宅の敷地が2億円や3億円はザラである。それが4000万円や6000万円の評価になるのだから、これを利用しない手はないというもの。

 

平成30年度税制改正では、相続時には自分名義の家に住んでいなくても、かつて自分の所有する家屋に相続時も住んでいる子は「家なき子」に該当しないとした。しかし最高税率55%の相続税。追い詰められた資産家に今年度改正税制では、これでもかという節税封じ策を国は打ってきた。

 

 

☆ 推薦図書 ☆
コリン・パウエル/トニー・コルツ著 井口耕二訳 『リーダーを目指す人の心得』 飛鳥新社 778円+税
コリン・パウエル(Colin Powell)は1937年、NY生まれ。黒人として、初めて米国陸軍で四つ星の大将まで上りつめて、米国四軍のトップである統合参謀本部議長に史上最年少で就任する。2001年から2005年まで国務長官も務めた。
この書の中でも学ばせてもらうのは「自分の人格と意見を混同してはならない。さもないと、意見が却下されると自分も地に落ちてしまう」と言う。「私に反論しろ。心の底から反論しろ。自分が正しく、私は間違った道を選んでいると私に納得させろ。それが君たちの義務だ。そのために君たちはいるのだから。私に反論されたからといって怖気づかないこと。ただし、議論は尽くしたとして私が決定を下す瞬間がいつかくる。そうしたら、自分の考えであるかのように私の決定を実行しろ。素晴らしいと口先で褒め称えるなど、もってのほか。ぶつぶつ文句を言うのもだめだ。一致団結し、成果を出さなければならないときなのだから。この段階で議論を蒸し返さないこと。・・・・・私は、君たちに対して常に愛情をもって接する。だからまず怒れ、そのうえで怒りを乗り越えろ」
彼が国務長官を辞めた後、我が母校で彼が講演をしたことがある。私の友人の友人がパウエルで、その時、握手をしたが、なんと柔らかい手であったことか。そして「ニューヨークに来ることがあったら、ぜひ連絡をくれ」と、なんと人を魅了する役者であったことか。今年80歳になるが、今なお影響力を持っている。菅官房長官、絶賛の著でもある。

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