このほど国税庁が発表したところによると、74社が30億円の架空経費の水増しを行ったとして国税当局に摘発された。これら74社は全く同じ手口で脱税を図ったというから、ある意味笑えるというか、馬鹿かと。この手口は、経営コンサルタントと称する中国人が、これから海外に進出する企業相手に一流ホテルで「異業種交流会」なるものを各地で開催し、海外に出てゆく会社は自社を使えば税金が安くなると、この中国人は各社に、ひそひそと投げかけたのである。わかりやすく言えば、ありもしない経費をでっちあげることが出来る。しかも幾ばくかは社長個人の懐を潤すと説得した。スキームは極めてアナログで、中国進出を目論んでいる企業は、香港にある企業の中国情報のコンサルタント会社に「調査費」名目でその会社に送金すれば、その額は経費に落ち、送金した会社社長に送金額の70%をキックバックするというもの。1000万円送金すれば法人税等が40%近く安くなり、社長に700万円無税で入る。なんとも夢のような節税・脱税話である。前提は、捕まらなければの話である。この事件の発端は江戸川税務署が管轄内の給食業者に法人税等の税務調査に入り、調査の過程で、税務署員が香港への1億円の送金を発覚したのが始まりで、他社も同様の手口がまだあるとして、国税局が香港政府に対して租税条約に基づく情報提供を求めた。昔と違ってCRS情報加盟国は海外送金が絡む租税回避について、金融機関などと連携して簡単に送金元、送金先を割り出せる。海外との1回100万円超の入送金を銀行などが「国外送金等調書」として報告・保管している。今回の件も、江戸川区の給食屋から端を発して東京国税局、大阪国税局、関東信越国税局が動いた結果、同じ香港の口座に送金した企業74社がたちまち見つかり、そして捕まった。あほである。国税庁によるとこの1年で海外取引に関する調査で2100億円の申告漏れが見つかっているという。特に香港・シンガポールへの入送金には、国税当局は目を皿のようにして見つめているのを忘れるべきではない。ちなみにこの異業種交流会を主催して10億円ほど手にした中国人は、とっくの昔に日本を出国して行方が分からないとか。日本の税率の高さを食い物にした国際的事例である。
★ 推薦図書。
長尾和宏著 「歩く人はボケない」 PHP研究所 1100円+税
著者は町医者を50年、臨床医を40年行ってきた。著者が断言できるのは、毎日歩行する習慣を持つと、認知症をはじめとする生活習慣病の大半は予防できるということ。歩行といっても長い距離を歩く必要はなく、スキマ時間にちょこまか歩くだけで十分。認知機能は誰でも加齢によって低下していくが、認知症に至るのを予防することは出来る。著者は会合やゴルフを通じて認知症のない元気な超高齢者と多く接している、90歳を超えて元気で認知機能が衰えない人の共通点は、よく歩いているということ。著者が診てきた認知症患者のほとんどは毎日歩行する習慣がない人ばかりだったと。
