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アメフト・スーパースター、OJシンプソン(O.J. Simpson)亡くなる。

ちょうど30年前O.J. Simpson氏が元妻Nicole Brown及び元妻の友人Ron Goldmanを殺害した罪に問われ、警察から逃れるためにフォードブロンコで逃亡し、ロサンゼルスのフリーウエイを警察車両が追い回わすという捕り物劇が大きくテレビで報道された。その彼が76歳で前立腺癌で死亡したとのニュースが全米で流れた。彼はUSC及びNFLで有名なランニングバックで、引退後は映画やテレビでも活躍したことが記憶に新しい。
逮捕後のO.J.は裁判がテレビで放映されたこともあり、大きな反響を呼び、彼のI am not Black. I am O.J.という言葉が一時アメリカで流行った。一方で、彼は黒人ということで、弁護士団が人種問題の裁判にしようという動きもあり。結果的には、彼は刑事裁判では無実となった。しかし、殺害されたBrown及びGoldmanの家族が民事裁判を起こし、勝訴し、3350万ドル(40憶円)の損害賠償金の支払い命令をSimpson氏に下した。(8.5百万ドルの損害賠償金をGoldman family、懲罰的損害賠償金としてそれぞれBrown、Goldman familyに12.5百万ドル。)しかし、O.J.が自ら進んでこの支払い命令に従うことはなかった。
その後フロリダ州に居住したが、フロリダ州は法的に債務者の保護が厚く、Goldman familyは彼の年金、生命保険等には一切手を付けられなかった。2007年にはラスベガスで彼のメモラビリアを取り返すと称し武装強盗及び誘拐を行い、33年の刑事罰を受け2008年に服役した。その後9年服役し2017年に仮釈放された。彼はNFL や映画俳優組合からの年金が毎年40万ドル(5000万円)ほどあり、その後ネバダ州で悠々自適な生活を送っていたようである。
遺書によれば、彼の財産の相続人は4人の子供とされている。ネバダ州法では2万ドル以上の財産がある場合には裁判所を通じて相続手続きが行われる。彼の弁護士であり相続の執行人は、彼にはIRSに対する未払い税金があるといっている。ネバダ州では、相続財産からの支払い順位は、まず弁護士及び執行人の手数料、葬儀費用、未払いの税金や医療費を支払い、その後、従業員がいればその給与、住宅ローン、担保付債務の支払いとなる。2022年にGoldman及び BrownはO.J.の財産に先取特権を設定しており、何らかの支払いがありそうである。但し、彼らの支払い命令金3350万ドルは30年後の現在金利を含めると1億1140万ドル(150億円)まで膨れ上がっているとされ、O.J.の財産は300万ドルしかないという報道もあれば、他州にLLCなどで資産を保有しているとも言われ、どれだけの支払いが行われるかは不明である。O.J.の死で、殺害されたRon Goldmanの父親Fred Goldman氏は、お金の事は何も言及せず、O.J.に真の結果責任を取ってもらう望みが消えたと落胆のコメントを発表している。O.J.の死は悔い改めのない死とも言われているが、30年にわたる全米でのO.J.劇場の幕が下りたと言えるとメディアが報じている。同感である。

☆ 推薦図書。
山田昌弘著 「パラサイト離婚社会」 朝日新聞出版 990円
この度、ショッキングなデータが公表された。2022年に生まれた人77万人、私が生まれた年は250万人を優に超えていた。そしてここ5年間の出生数は異常に少なくなっている。にもかかわらず、日本人の結婚観は変わらない。高度経済成長期は、ほとんどの人が結婚する「皆婚」社会であった。平成時代は非正規雇用の増加などにより経済的事由により「離婚」社会へと移行した。令和になって、国民負担率(税金と社会保障負担率)が5割に迫り、共稼ぎ夫婦でも裕福になれない、その結果「結婚不要」社会となった。昭和から今まで経済社会は大きく変わったのに、日本人の価値観は変わっていない。「専業主婦になりたい」「マイホームを持ちたい」と昭和的結婚観をいまだに持っている。今は、結婚するよりも「しっかり稼いで自分一人で消費」する者が増えている。また家に帰れば精神的・経済的に依存できる親がいることが大きな原因の一つだと指摘している。

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