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アメリカ富裕層のコロナ対策

先日より、アメリカの国技であるアメリカンフットボールのプロ、NFLのドラフト会議が始まっている。コロナ対策のため、毎年派手にラスベガスのベラジオホテルで行われるこのイベントも今年は様変わりし、各関係者の自宅からテレビ中継されている。

NFLのコミッショナーは自宅の地下部屋から中継され、意外と普通の佇まいで皆さんガックリしているようである。驚いたのは、アリゾナカージナルズのコーチ宅で、アリゾナ州高級住宅街スコッツデールにある自宅のリビングがドラフト作戦部屋となっている。バックに美しい山々が広がる広大な裏庭を背景に、その部屋は床から天井までの巨大な窓があり、大きな暖炉の上にまた巨大なTVが壁にかけられており、コ-チは白のパーカーにスラックスを穿き、白のソファに腰掛け、片足をテーブルにのせ優雅な姿でドラフト会議に臨んでいる。ただ、ドラフト会議だなと思わせるのは、そのテーブルの上には3台の携帯電話、2台のモニターが置かれていることである。一方、ダラスカーボイズのオーナーJerry Jonesは2億5,000万ドル(280億円)する自家用ヨットの豪華な応接室からドラフトに参加しているようだった。

皆さんの関心は、アメリカの超富裕層はコロナ感染を避けどこにいるのか?である。エンターテイメント界の大御所David Geffen氏はソーシャルメディアでカリブ海St VincentのGrenadine諸島で避難中と、彼の所有している5億9,000万ドル(650億円)するスーパーヨットからコメントしていた。さすがにこれには非難が集まり、今ではこのコメントは削除されている。確かに自分のヨットを所有、乗組員も雇用できるビリオネアーはこのような優雅な避難ができるわけだ。ヨットを数か月チャーターして避難したいというお金持ちも多くいたようだが、アメリカを始め、多くの国で自宅待機命令が出されているなか、不必要な航海の取締りは世界中で厳しく、そもそもチャーター用の乗組員も自宅待機で出社していないため、チャーター会社の多くは休業中のようである。

それでは他の富裕層はどこに避難しているのだろうか?Bloombergによれば、ニュージ-ランドだと報道している。ニュージーランドは何年もの間、アメリカの富裕層に対し、世の終わりのサバイバルプランとしてシェルターの売り込みをしている。サバイバルシェルター会社Rising S社によれば、コロナ騒動が始まった3月初め以降シェルター購入済みのアメリカの富裕層から、自分のシェルターのドアの開け方を忘れたので教えて欲しいとの連絡が相次いでいるのだそうだ。Rising S社のシェルターの平均価格は300万ドル(3億3,000万円)だが、ラグジュアリーなバス・トイレ、ゲームルーム、射撃場、ジム、劇場、医療用ベッドを付け加えると、800万ドル(9億円)ほどになる。

Rising S社の他に世紀末ビジネスが旺盛なことから、Underground Global NetworkのVivos社はニュージーランド、Christchurch の北にあるSouth Islandに300人収容可能な地下シェルターを作る予定である。この会社は更にアメリカのSouth Dakotaに5000人収容出来るできる地下シェルターもあり、今回のコロナ感染で24世帯以上が避難しているとのことである。コロナ騒動のおかげで、日本の富裕層とは桁違いのアメリカ富裕層の実態が一部明らかになったが、これらの報道は何故日本では全くなされないのだろう。

☆ 推薦図書 ☆
竹本三保著 『国防と教育』 PHP研究所 1,500円+税
この本をPHP研究所の編集長から頂いたのであるが、著者は、初めてだったので、まず奥付を見た。竹本三保、京都府生まれ、京都聖母学院小・中・高から奈良女子大卒。ここまでは単なる才女かと思ったが、同年4月海上自衛隊幹部候補生学校入学、自衛隊青森地方協力本部長などを経て自衛隊定年退職。その後、公募校長として大阪府立高校の校長となった。驚きであった。
この著によると、組織を動かし、人を動かして任務にあたるという文化が、自衛隊と学校では異なるとはいえ、最終的には高い志、夢や希望が持てるという、やりがいのある職場環境作りが最も大事である。その為には優れた見識のあるリーダーが不可欠であり、そのリーダーを育てるのが急務。このことは自衛隊や学校だけでなく民間企業、組織、あらゆる業界、皆、人と人が結びついて成り立っている、あらゆる世界について同じことが言えるのである。この本は著者が体験した成功や失敗をもとに、実学としてリーダー像を書いている。
マネジメント〈管理〉だけではなく、リーダーシップが発揮されれば、すべての組織が変わると訴えている。ぜひリーダーを目指している者には読んでもらいたい本である。

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