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大富豪アマゾンのJeff Bezosの資産と給料

久しぶりにロサンジェルスのステップルセンターでレイカーズとユタのジャズとの試合を観戦した。応援するレイカーズが僅差で勝ったが良い試合であった。

 

ところで、最近アマゾンのJeff Bezosは離婚、愛人騒動に端を発し、タブロイド紙による恐喝騒動といつになく紙面を騒がせている。ウォール・ストリート・ジャーナルによると、彼の年間給与はわずか81,840ドル(900万円)だが、資産はビル・ゲイツを上回り世界一となっている。彼の離婚により、彼の資産がどうなるのか、アマゾンの持分はどうなるのかと騒がれたが、この離婚調停もかなりのスピードで終わり、昨日元妻Mackenzieのツイートがあった。これによると、ワシントンポスト紙及びBlue Origin(宇宙飛行機会社)の100%、75%のアマゾン株及び株主行使権を譲ったとあった。

 

2人はアマゾンの株式の16%を所有していたので、今回の離婚によりJeff Bezosは12%所有、妻Mackenzieは4%所有となる。これは11日現在の株価でそれぞれ1,070億ドル(12兆円)、360億ドル(4兆円)の資産分割となる。フォーブス誌の推定ではビル・ゲイツ氏の資産は965億ドル(11兆円)なので、離婚後もJeff Bezosが世界一の資産家ということになる。これだけではMackenzieの取分は少ないように見えるが、彼らはワシントン州Bellevue市、カリフォルニア州ビバリーヒルズ、ワシントンDCに大豪邸を所有、テキサスには大牧場、ニューヨークには複数のコンドミニアムを所有している。また、Airbnbや Uberへの投資、Convoyや Workday等のスタートアップの会社及び Business Insider誌にも多額の投資をしている。 また、1万年動く時計プロジェクトに融資もしている。しかし、これらの資産をどう分割したかは明らかになっていない。

 

離婚後もかなりの資産を有するJeff Bezosだが、年間給与は81,840ドル(900万円)で、この給与額は過去20年間全く変わっていない。ただ、セキュリティ関連サービス及び出張費用の手当として、2010年より160万ドル(1億8000万円)が支払われているようだ(2003年よりこのような開示がされているが、その当時は110万ドル(1億2000万円)だったようである。)。また、株式連動報酬は一切ない。アメリカではIT関連企業がCEOの給与を低くしている例が多い。例えば、アップルのスティーブ・ジョブ氏の給与は毎年1ドルだったし、グーグル創立者ペイジ氏やブリン氏も1ドルだった。元オラクルCEOエリソン氏も1ドルであった。(しかし、彼らの場合は株式での報酬を受けていたので、毎年最も高額の報酬を受け取るCEOでもあった。)

 

Jeff Bezosの場合は、過去20年の給与は毎年81,840ドル(900万円)だが、その前の1997年は79,197ドル(880万円)、1996年は64,333ドル(700万円)だった。CEOにしては給与が低いわけだが、アマゾン従業員の殆どは倉庫で働いていることもあり、平均給与は2018年で28,836ドル(300万円)である。2018年11月よりアマゾンは、アメリカでのフルタイム従業員に対して最低賃金を時間当たり15ドルに引き上げており、直近の平均給与は35,096ドル(380万円)まで上がっているとのこと。

 

このような例を見ると過去のブログでも言及したが、アメリカでは給与所得という所得は税率が高く、配当、株式譲渡益、キャピタルゲインには十数パーセントしか課税されない。資産家はますます手取りが高くなり、額に汗してしか収入を得られない人は30数%の課税、またそれを許すアメリカ国民。世界の富裕層はアメリカで住みたいと思うのももっともである。

 

 

☆ 推薦図書 ☆
日本経済新聞社編 『限界都市 あなたの街が蝕まれる』 日本経済新聞社 850円+税
最近、首都圏などはタワーマンションが次々と建てられ、そこに人口が流入する。そのため周辺の駅の混雑や待機児童の増加、住民間の交流の喪失などの問題も生じている。
タワーマンション乱立の原因は、市街地再開発の制度自体にある。再開発事業では既存の土地・建物を集約し、より大きな建物をつくる。事業者は住宅の規模に応じて開発利益を増やせるため、住宅を大量供給するのである。
一方、40年~50年前に郊外に建てられた団地の老朽化に伴って住民人口の高齢化、人口の減少が進んでいる。そのため地価が下落している。老朽団地を建て替えるのは、ほぼ不可能である。建て替えには全体の5分の4以上、各棟で3分の2以上の住民合意を得なければならないからである。
市は税収確保のため、大型施設を誘致するなど、部分最適の街づくりに走り始めた。つまり都市整備という観点ではない。今後、都市の将来像を描くことの限界を感じる本である。

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