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来年度税制、またもや相続税節税に網

今年最後のブログである。
安倍内閣5年目の税制改革が与党税制調査会から公表された。デフレ脱却を目指すのはいいが、年収850万円以上の人々にとっては辛い税制になった。年収850万円以上、保有資産4800万円以上の人はいつから富裕層となったのであろうか。富裕層の定義を国にして欲しいと思う。

 

非上場株式の納税猶予制度以外に、今回の改正で相続税関係の改正はあまりなかった。しかしそのなかで、小規模居住用宅地等の特例というのがある。亡くなった人の住宅敷地を同居していた家族が相続した場合に、その評価額を100坪まで80%減額するというもの。例えば路線価で坪100万円の土地を100坪以上(それ以上でもかまわないが、100坪部分を減額する)所有していると、100坪×100万円=1億円と評価額はなるが、それが2000万円の評価となる。それ故にこの節税策が流行った。東京の渋谷区松濤であれば、一坪300万円はする。100坪以上の自宅を買えば100坪×300万円=3億円で、死亡時の評価は6000万円となる。2億4000万円の減である。

 

子がそれを相続して、その特典を享受できるのは、その子が親と同居していなくても、自分や配偶者の持家がなければOKだった。これを「家なき子」税制といい、同居していない子が、相続が近づくと自分のマイホームを売却して賃貸住宅に移り住むというスキームで「家なき子」を演じることで、この特例が使えた。特にひどいのは、子がマイホームを持っているにもかかわらず、その子が自分の子(つまり孫)に贈与することによって、「家なき子」になるケース。この場合、土地を贈与する必要はなく、建物だけであるので、建物の固定資産税評価額で計算する贈与税だけで済む。そして、そのまま、そこに住み続けるので生活の変化は全くない。

 

しかし、この節税方法はあまりにも有名になったため、当局が規制に及んだ。つまり、80%減額割合から排除される者について、次の①②が改正で決まった。
①親の死亡時前3年以内に、その者の3親等内の親族又はその者と特別の関係のある法人が所有する国内にある家屋に居住したことがある者
②親の死亡時において居住の用に供していた家屋を過去に所有していたことがある者
例えば、子がマイホームをおじに売却して、そのまま住み続けていた場合も適用除外となる。しかし、亡くなる3年前には、そこを退きのき、別の賃貸住宅に住んでいれば適用される。

 

来年度税制は、この例からもわかるが、富裕層にはきつい税制になる。特に相続税は税法を知っていると知らないでは、大きな損得がでる。注意したいものだ。

 

 

☆ 推薦図書 ☆
日経BP社編 『世界を動かす100の技術』 日経BP社 2300円+税
人、生活、産業、そして地球環境に至るすべてが再生していく、テクノロジーの動向を2018年以降はどうなるのかを記している。例えば、
<ぶつからない車>
ぶつからない車は自動車業界にとって究極の目標だが、2018年にはいよいよ実用化される見通しが出てきた。アウディは世界で初めて、レベル3と言われる自動車が2018年に実用化できるとした。レベル3はすべての運転が自動化されるが、ドライバーは緊急時に運転に戻る態勢を維持していなければならない。さらに技術アップとして「三次元レーダー」だ。車に搭載したレーダーやカメラなど各種センサーのデータを収集し、AIで解析し、結果をフィードバックし、ぶつからない車の実現が可能だとしている。
<人の五感を超える技術>
知覚を担うのは、画像処理、画像認識をはじめとするカメラ技術である。今後は、撮影シーンや周囲の状況まで瞬時に把握できる、人の「知性」を超えるカメラ技術が実現する。現在、人の耳に装着する超小型コンピューター「ヒアラブル端末」。ヒアラブル端末とは、聴く(ヒアー)という英語と、ウエアラブルを合わせた造語で、主にワイヤレスのヘッドホンやイヤホンを指す。
米ウェイバリーラボは「Pilot」を出荷した。これは多言語間の同時通訳機能である。このパイロットを装着した人同士であれば互いに異なる言語で話していても、十分理解できる。私などはそうなれば、英会話学校もなくなるかもしれないと思う。大変な時代になったと思う。

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