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マル査白書、学習しない脱税者

このほど国税庁は平成26年度の査察の概要を公表した。それによると査察処理件数は180件で、このうち112件が検察庁に告発された。告発分の平均脱税額は1億1000万円となる。検察告発事件を業種別にみると、不動産業16件、クラブ・バー10件、建設業8件と続くが、クラブ・バーでは源泉徴収したホステス報酬の源泉所得税未納、建設業では架空の下請費の計上が際立った。

 

今回の公表で過去の例と異なったのは、雑誌に虚偽・誇大な広告を掲載し開運グッズの通信販売や祈祷サービスを電話で提供する「開運商法」や「貧困ビジネス」「デート商法」などで、多額の所得を得た者たちに対しても査察の対象となった。またITC化への対応として、デジタルフォレンジック用機材を使って架空の領収証データを復元・発見したものがかなりあった。脱税した現金の隠匿場所も様々であったが、5億650万円の現金をダンボール箱に詰め、自宅の階段下の納戸に隠したり、あるいは、3億5260億円の現金をスーツケースに入れ、自宅寝室のベッドのマットレスの下を工夫して、そこにスーツケースを隠匿していた例などもある。

 

昔から脱税者は現金を自宅か愛人宅に隠す習わしがあるが、脱税者は脱税した金をすべて現金でどこかに隠すのではない。もともと国に納めなければならないお金であるが、不正申告によって納めずに済んだ(?)カネである。いわゆるあぶく銭。つまり派手に使うのだ。単に競馬や飲み食いに使うのであればわからないが、高級外車や高級腕時計を買うのである。いくら現金で買っても車は名義を登録しないといけないし、時計は保証書に住所・氏名を記入する。国税当局の捜査はそのあたりを絶えずチェックしている。申告所得に見合わない高級品であると内偵される。この何十年間、変わらない。同じ手法で網にかかるので、国税当局も楽ではある。

 

 

☆ 推薦図書 ☆
齋藤勇著 『人間関係の秘訣は、カーネギーに聞け』 三笠書房 1,400円+税
デール・カーネギーの「人を動かす」を基に著者は心理学の視点から、人間関係をうまくする秘訣を書いている。
カーネギーは人を動かすための3原則を説いている。
(1)批判しない、非難しない、文句を言わない
人を非難しても相手は素直に受け止めない。なぜなら自分が間違っていないと思っているからであり、上司が部下のミスを責めても改善されることはめったにない。それどころか上司が部下から嫌われるだけだ。これは「嫌悪の報復性」という。
(2)真心を持って素直にほめる
カーネギーは、人は「自分が欲しいものを手に入れようとするときに積極的に行動する」という。つまり重要人物たらんとする欲求がある。これを「報酬勢力」という。
(3)相手に強い欲求を起こさせる
説教や脅しでは、人は動かない。本人が自らそれをやりたいと思い行動するには、「相手の立場にたって考える」ことだとする。「強制勢力」になってはいけない。

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