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日米の固定資産税について考える

日本の固定資産税は地方税法によって定められているので、日本国中同じ扱いである。市町村が課す税金であるので、田舎の市町村にとっては大きな財源である。固定資産税は固定資産税評価額に1.4%、さらに都市計画税として0.3%を掛けたものが持ち主の毎年の納税額になる。ただ商業物件と異なり、住居はそれなりの軽減措置がある。住宅用地の土地は200㎡までは評価額の6分の1に税率を掛けるの で極端に安くなる。マンションなどは1戸あたり200㎡もないので土地の固定資産税は低い。住宅メーカーなどは、空き地所有者にアパートを建てれば固定資産税が低くなる、という営業をしているが、それは正解である。またマンションなどの建物部分は築後、5年間は半分になる。そして6年から普通の税額になるという減額措置もある。
アメリカも固定資産税は地方税である。しかし日本のように国が一律に決めていないので、地域によって課税方法バラバラである。今もめているのはニューヨーク市である。ニューヨーク市には15年間の固定資産税の減税措置があって、有名なものに421―a(New York City 421-a Tax Exemption)というのがあって、15年間の減額措置である。一定の新築・住宅用を対象に「11年間は100%免税、残り4年間は段階的に免税率が軽減」という措置があって、適用を受けるには、地域、住宅戸数、Affordable housing 等の条件があるが、当初、固定資産税をほとんど払わなくても良いという制度だ。これは日本にはない。ところが2030年以降この減免期間が終了し、正規の固定資産税を払わなければならない者が急増する。NYの5つの区で、数千棟もの住宅が15年の恩恵を受けている。代表的なのは「ブルックリンに引っ越し時は固定資産税はゼロに近かったが、今年は7600ドル(120万円)来年は10500ドル(160万円)」という家庭が多いとウオール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が社説で書いている。同紙によると2030年までに66,000戸の住宅の税金が大幅に引き上げられ、2031年度から2040年の間に、94,000戸に渡り減免期間が切れるとされている。このためNYCの「賃料の上昇、家主の所得減少」などから不動産価格の低下につながるとしてしている。トランプ大統領とぶつかっている有名なゾラン・マムダニNY市長は公約で「家賃規制のアパートの家賃値上げを凍結し、不動産所有者の保険料を引き下げる」とした。しかし、それらは根本的な解決にならない、減免期間が居住者にとっては、あらかじめ分かっていることであり、今更言うかと思う。また彼らは減免期間が切れることで大変になるので、減免期間の延長の「署名運動」に乗り出し、コミュニティ委員会(ホチュル知事、マムダニ市長らがメンバー)に働きかけている。今まで、ただであった固定資産税は2031年以降、推定、マンション1戸当たり年1万ドル(160万円)になるという。
日本では、例え高級タワーマンションでも固定資産税はそこまで高くない、ありがたい話であるが先進国の固定資産税はみな日本より高い、後進国なのであろうか。

★ 推薦図書。
太田肇著 「なぜ『賢い人』が集まって しょうもない意思決定がなされるのか」日経BP・日本経済新聞出版 1980円
どれだけ優秀な人たちがいても集団になった途端、愚かな意思決定をしてしまう日本企業の構造的欠陥。個々の人は集団になると正しい判断を放棄してしまう現象を「集団浅慮」(group think)という。これは経営目的を第一に考えた意思決定場面で、内部の平穏や社員の既得権益が優先される。日本の組織の構成員は、表向きは組織全体の利益を目指しつつ、裏では個人の利益を優先させる。これらの弊害を打破するには、改革、多様でオープンでフラットな組織に転換しなければならない。

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