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新制度、3年滞在で日本の永住権を付与、の愚

政府は安倍内閣の成長戦略の一環として、優れた能力を持つ外国人を呼び込むため、新しい永住権の創設を考えている。日本に3年間滞在すれば永住権を取得でき、配偶者の就労や親、メイドの帯同ができるという。日本政府は成長戦略で2020年までに外国企業の日本への直接投資残高を35兆円に倍増する目標である。この新制度によって優秀な外国人を呼び込むというのが政府の考えである。

しかし3年で永住権を与えるという先進国は他にあるだろうか。例えばアメリカでは、留学生はまずJ1ビザを取り、うまく更新できればHビザ、そして10年以上滞在できて、サポートする会社があれば初めてグリーンカード(永住権)を取得できる。なかなか試練の道である。

外国で永住権を取得できる一つの関門は富裕層である。アメリカ、カナダ、オーストラリア、イギリスなども永住権を取得する近道は、一定金額以上の不動産や投資、あるいは雇用を創設する、いわゆる「投資移民」制度である。しかし今回の日本のように、大学教授や技術者、経営者ら年収に関係なく技能や職種などで一定の水準を満たした外国人の在留者を優遇する国は、おそらく先進国では初めてである。

日本の相続税の課税制度で、特殊なのは、海外資産を利用した相続・贈与でも、日本国籍を有する者には、被相続人、相続人とも日本を離れて5年以上でなければ日本の相続税・贈与税がかかる。このため、日本国籍の離脱者が相次いでいるが、この制度が実現すれば、シンガポールやカナダに投資移民し、日本国籍を離脱し、外国人になって、日本に戻ってきて日本に永住できるとなれば、何も日本国籍はいらない。

技術者や経営者の資格は何とでもなろう。日本国籍を捨てれば、老後日本に住めないから、日本国籍に固執するのであり、このように簡単に日本に住めるのであれば、重税国家の国籍を捨てる者がどんどん増えるのは明白である。

 

☆ 推薦図書 ☆
中島孝志+藤澤治著 『これから日本経済は途方もなく凄いことになる』 さくら舎 1,470円
例によってするどい分析をする中島孝志に加え、オイルアナリストの藤澤治が加わり、日本にはさまざまな試練を乗り越える底力があり、これからの日本は凄い国になるという。
本書は実に今、日本で起こっているさまざまな問題、為替、デフレ、インフレそしてTPPと食料、さらには資源問題ではシェールガスについて深く掘り下げている。また現在、周辺国との摩擦が激しくなっていることを踏まえ、北朝鮮との関係はどうあるべきかなど、マネー、エネルギー、国防、経済、外交までを大変な量の資料、データを基に論じている。読みごたえがたっぷりある。

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