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相続税100億円の支払拒否、タイトー創業者の遺族

大手ゲーム会社タイトーの創業者(既に故人)の妻で、1年3か月前に亡くなったアシャー・コーガン(東京都在住)が財産を200億円残した。彼女の法定相続人は長男と長女で、2人とも日本に住んでいない。しかもアメリカ国籍。日本の相続税の計算では遺産の50%である100億円の相続税がかかる。しかし遺産の大半はアメリカにあり、日本には少ししかない。2013年の年末に彼女は死亡したが、実は2013年度税制改正で、死亡した人が日本人であろうと外国人であろうと、日本に住んでいた人が亡くなると、その亡くなった人が所有していた財産、つまり遺産が日本にあろうとアメリカにあろうと、その亡くなった人が持っている全世界財産に日本の相続税がかかるとした。むろん相続人が日本人であっても外国人であっても関係ない。日本の国税当局に日本の相続税を払わなくてはならない。

 

2013年にこの税法が改正されたとき、このブログで筆者は「よくアメリカ政府は文句をつけなかった」と書いたが、いよいよ現実に該当者が出た。不運にも改正税法ができてから9か月目で死んだ。この改正税法は外国人には理解できないだろう。アメリカで長年働いて、アメリカで富を築き、子をアメリカで育て、最後は日本に戻って安らかに死ぬという日系人は多い。筆者はこのような日本人に注意する。「あなたは、ふるさとの日本で死ぬのは勝手だが、アメリカにあるあなたの財産にアメリカにいるあなたの子が、アメリカではかからない相続税を日本国に納めなくてはならないのだよ」と言うと皆が言うのは、「私は財産を築く過程で日本政府のお世話になっていないのに、なぜアメリカの税金ではなく日本の税金を払うのだ」と。

 

日本の相続税・贈与税は、この件に象徴されるように、日本人及び日本居住者が日本で死ねば、地の果てまで日本の相続税が追いかけて行くことになる。日本人で国際的に活躍している人の多くも、この税法を知らない人が圧倒的だ。この遺族は日本国内財産にかかる相続税だけは納めたが、遺産のほとんどであるアメリカ国内資産については、勝手に相続税法を変えた日本の相続税の改正そのものに異議を唱えている。海外にある財産を海外にいる外国籍の子が相続する。海外にいる子は日本を知らないし日本語も読めない。しかし親は日本で死んだ。その財産に日本でも問題になっている高率の税がかかる。今後このようなトラブルが多発するだろう。なぜならアメリカの納税者は日本人のようにサイレンサーではないからだ。

 

 

☆ 推薦図書 ☆
武田晴人著 『脱・成長神話』 朝日新聞出版 760円+税
アベノミクスの根本は経済成長である。経済成長によって日本が抱えるさまざまな問題が解決できるとしている。しかし経済成長によって過去の分析でも、人々の生活満足度は上昇していない。日本経済はバブル崩壊後長期の停滞に陥っている。日本はこれ以上の経済成長は無理である。何故ならエネルギーを中心とする資源供給に限界があり、しかも財政が破綻状態にある。さらに少子高齢化で人口減である。もはや消費の拡大を前提とする成長を期待できない。日本は今、経済成長の代わりに何を考えていかなければならないのか。経済至上主義に対しての無理解が大きいとしている。

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