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暗号資産の不正申告、アメリカIRSとの違い

アメリカ合衆国ではEASTER(祭日)を迎える中、4月15日期限(延長可)の確定申告作業で我々は大変で、これほど日米両国に所得のある人が年々増加するとは思わなかったのである。それとは別に、アメリカでは、Easterに際し、へグセス国防長官は、アメリカの軍隊はイエスキリストの為に戦っているので、アメリカ国民は毎日アメリカが勝利を収めるよう祈れとコメントした所、ローマ法王は名指しは避けたものの、キリストのミッションは、時々支配者の欲望により歪められるが、これはイエスキリストがめざすものとは別物である、とコメントし、更に、人々は支配しているときは、自分たちは強いと思い、同等の者を破壊するときは勝利したと思い、人々から恐れられていると感じた時は、自分たちをGreatと思う。が、しかし、神は例を与えている、それはどのように支配するかではなく、自由にしてあげることを、命を奪うのではなく、どのように与えるかを。以前このブログでも紹介したがローマ法王はアメリカ市民権者ではあるが、トランプ政権とはかなり距離をおいているようである。
混迷が続くイランとの戦争により、日本もそうだが、肝心のアメリカの経済的な影響が深刻になってきている。ガソリン価格もガロン4ドルを超え、国民は難儀を強いられている。このような情勢下に関わらず、確定申告の申告期限は4月15日と決まっている。現在のアメリカ人の申告状況は、トランプのOne Big Beautiful Bill Act (OBBBA)により、控除出来る項目が広がり還付金が増えているようである。なかでも、今までと異なるのは、確定申告書1040には大きくDigital Assetsとして、暗号通貨を受け取ったか、売ったか、交換したか、廃棄したかの質問があり、YESかNoかにチェックする箇所がある。これは、1040 のSchedule Bに海外口座やトラストを持っているかの質問と同様、ある意味引っ掛け問題で、ここでNOとしたのに税務調査で実際はあるとなると相当のペナルティが課される。これは日本と大きく異なる制度で、日本は脱税者に甘いと言われる根拠でもある。
暗号資産の取り扱い税法は、令和8年度税制改正で日本も大きく変わったが、アメリカでは暗号資産は通常の通貨と異なり、証券のようなCapital Assetsと見なされる(日本は令和9年から)。従って簿価があり、売却するまで課税関係は発生しないが、売却時にゲインとロスが発生し、ゲインがあれば証券の売買同様、1年以下の短期保有であれば所得課税率の10%から37%で課税され、1年超の保有であれば長期保有の優遇税率で0-23.8%で課税される。ロスが発生した場合には3000ドルまで通常の所得から控除されるというアメリカ税法である。
Forbesによると、この暗号資産は2025年より1099 -DAというフォームで納税者及びIRSに通知される。これは、アメリカベースの暗号資産、ステーブルコイン、NFT等を取り扱う交換所等が作成、通知するのだが、ある調査によれば、アメリカでは13億件もの申告件数があり、その内2億2100万件の申告内容を調べた結果、わずか760万人の確定申告書にしか暗号資産の所得の申告がなかったのである。また別の調査では、暗号資産所有の納税者の32%から56%ほどしか申告をしていないという報告もある。アメリカ国内を見ると、ロサンゼルス、サンフランシスコ、オースティンは高い申告率である一方、ネバダ州やウエストバージニア州は低い申告率という調査結果も出ており、州や都市により大きな差が出ている。今後この1099 – DAがIRSに通知されることにより、暗号資産の申告が増えるのか、まだわからないが、納税者のペナルティ(日本の追徴課税)は無申告額の20%から悪質な場合は75%も加算される。また、暗号資産交換所が正しい1099-DAを発行しない場合には、顧客毎に250ドルから悪質な場合は300万ドル(4億5000万円)のペナルティが課される為、申告率は高まるものと予想されている。日本は2027年分から暗号資産の税務はアメリカ並みになるが、不正申告したところでペナルティはさほどではない。しかし暗号資産の総額は巨額である。日本も暗号資産の脱税者にはアメリカ並みのペナルティを課せば、ここまでの富裕層いじめの資産課税も必要なくなるのではないかと思うが。

★ 推薦図書。
佐々木融著 「インフレ・円安・バラマキ・国富流出」 日本経済新聞出版 1000円+税
著者は元日銀マンである。通貨の価値が下がる国で、いかに資産を守るかの本である。1ドルが160円、円の価値が毀損し続ける中「いつか円高に戻る」という過去の経験則は、もはや通用しない。著者は円安の根本原因を解き明かし、今後起こりうるシナリオと防衛策を提示している。
円が弱くなった原因の一つはマイナス圏に大きく落ち込んだ実質金利であり、もう一つは日本から海外への資金流失が止まらないことである。海外に拠点を持つ日本の大企業も、海外で儲けたお金を日本に戻さない、還元しないのである。外国企業はもとより、日本企業でさえ日本に投資をしなくなった。日本での生産性を期待できなくなったのである、人口減少に加え日本人の労働時間は20%以上少なくなった。働き方改革に誰も文句をいえまい。日本の国債はデフォルトしないだろうが実質的にデフォルトしたとみなされる時が来るかもしれない。GDPは低迷、実質賃金はマイナスの国である。それこそ高市首相の言う通り、働け、働けか。

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