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国税庁、海外資産の把握は簡単、CRSで暗号資産にも

今年も3月16日期限の確定申告は終わった。しかし5000万円以上の国外財産を所有する者は6月30日までに、その財産の明細を税務署に提出しないといけない。かつては海外にある日本人所有の財産は簡単には見つからなかったのであるが、それは昔の話で、今は、ある意味、簡単に分かる時代になってきたと言える。理由はCRS(Common Reporting Standard)
情報である、このほど国税庁が公表した「各国との情報交換事績」によると、日本人が海外に持っている個人口座は、何と272万件、金額にして9兆6千億円にもなるとしている。しかし私はこれは氷山の一角と思っている。この個人口座は海外の金融機関に、日本のパスポートを提示しての口座作成であるからだ。パスポート提示せずに作った口座は対象外である。そしてこの国税庁が公表した「各国との情報交換」にはアメリカ合衆国が含まれていないからでもある。以前このブログでも書いたが、昔は海外隠し預金の最大筆頭国はスイスであったが、オバマ政権により世界一透明感のある金融立国になってしまった。そのため日本人の胡散臭い脱税陰謀者はスイスから、シンガポールや香港、それに昔のタックスヘイブンのケイマンやパナマに資産を移したが、それもCRS情報によって捕捉されつつある。その後、アメリカのデラウェア州やネバダ州に移した日本人も沢山いたが、シンガポール、香港と違って金融口座を開けるのは容易ではない。いたちごっこではないが、それではと、海外資産隠しをビットコインやイーサリアムなどの暗号資産で行うものが増えてきた、これは何も日本初ではなく、アメリカのIRSなども頭を悩ましている脱税手段である。そこでOECDはCARF(Crypto Asset Reporting Framework)「暗号資産等報告枠組み」をつくり、暗号資産活用者の脱税を食い止めるべく動き出した。この制度は2027年から本格的に動き出す。これは各国の税務当局が自国の暗号資産交換業者から報告を受けた非居住者の取引情報を租税条約に基づいて自動的に交換するというものである。2027年に各国と交換する暗号資産の情報は2026年、今年のデータ、取引情報である。これらのことから国税当局は海外への暗号資産を使った資産フライトは税務当局に筒抜けになると思っている。国税当局は調査にあたって①海外資産②海外取引③海外投資に分類していて、海外が絡まない事案は比較的小粒で、絡むものは不正、申告漏れ、さらには追徴税額が多額になる傾向であるとしている。いままで暗号資産の取引は国内業者を使うとバレ、海外業者を使うとバレない、が大きく転換する。ちなみに暗号資産の各国の情報交換項目は①利用者の氏名、住所②居住地国③外国の納税者番号④その年分の暗号資産等取引対価の総額。となっている。日本の資産家にはますます財産の承継問題が難しくなる。相続税で3代は続かない、2代でも大変な日本の現状である。

★ 推薦図書。
太田肇著 「離職ゼロ『自営型社員』が会社を変える!」 東洋経済新報社 1760円
人手不足である。ブラック企業ならいざ知らず、ホワイト企業も理由不明な退職が増えている。原因は自分の成長実感が得られず、仕事に物足りなさを覚えたりして、仕事に対する熱意がなくなり、その挙句、最低限の仕事しかしない。日本の法からして、即座にクビに出来ない。あるいは、社内で育てた優秀な人材が転職してしまう可能性がある。この本の主題である「自営型社員」とは1人の社員が自営業者のように仕事を担うもので、自営型社員は仕事を一手に請け負い、主体的に進めることが出来る。そのため達成感や自己成長の実感が得やすい。そして何よりモチベーションが高まる。それでは、どうしたら社員を自営型社員に変換できるのかを著者が説いている。

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