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後を絶たない、香港を舞台にした脱税、HongKongはマネロン天国

先月、東京の御徒町で4億2千万円の現金が強奪され、数時間後に羽田空港駐車場で現金1億9千万円の強盗未遂があり、翌日、香港で御徒町で強盗したカネが強盗に遭った、というややこしい裏社会の事件が報道された。今回の事件の背景には日本の消費税がある。消費税のない香港やシンガポールで1億円の「金」を買って、羽田空港の入国税関でその「金」を申告しないで、日本に運び込む、そしてその「金」を日本で売ると1億1000万円になる。10%の消費税分が儲けになる。これは日本では10%の消費税がかかるからである。余分に貰った1000万円は本来なら日本の国税当局に申告して納めるわけだが、そんなことをするわけがない、そのまま1000万円儲けるのである。金が10億円なら1億円の利益である。おいしい限りである。最近、日本を訪れる外国人観光客の数が急速に増加したことに加え、金価格の上昇が後押ししている。財務省がこのほど「全国の税関が行った輸入品に対する関税および内国消費税に係る犯罪調査」の結果を公表した。それによると通告処分を行ったのは294件、告発が6件、合計300件となり脱税額は7億838万円となった。処分した事件のうち金地金の密輸事件が186件で脱税額は6億1573万円と全体の9割を占めた。告発した事例では、犯罪者がシンガポールからの航空貨物に15㎏の金地金を隠匿し、そのまま税関をスルーして消費税額1470万円を不正に免れた件など多数あったが、他の事例として、大きな金額ではないが、乗客の身に隠された粉末金が発見されたことや、ニセのICチップに隠された金が発見されたこと、圧縮機に隠された件など金を密輸する方法は枚挙にいとまがない。
ここで最初の香港の事件に戻るが、金の密輸は正式なルートの売渡の決済はできない。キャッシュオンデリバリー、現金決済になる。今時、不動産の売買にも現金が使われないが、不正の決済には現金である。この決済の場所は香港である。今回の事件でもマスコミは触れなかったが、なぜ香港でなければならないかである。例えば、外国人が日本に現金を持ち込む場合は100万円以上だと税関に申告しなければならない。アメリカだと1万ドル以上は申告しなければならない。海外旅行の際に知っていることだ。ところが香港だけはその義務はない。従って昔から相続財産逃れに現金を日本から香港に持ち出す輩いる。しかも,それを業とする運び屋まで多数いるのをご存じだろうか。今回の事件は、金の決済であったろうが、日本から香港に持ち出す「円」は毎日である。手荷物に4,5千万円忍ばせて空路持ち込む者もいる。出国検査のセキュリティーのX線でわかるというが、係官が検査する目的は危険物の発見であるので札束は関係ない。そうして多額の日本円を香港に持ち込んで、しかるべき金融機関に預けて隠すのである。CRS情報でバレるというリスクがあるが、CRS情報はあくまでもその国の非居住者の預金を開示するのであり、香港人の名前を借りればCRS情報に載らない。日本人の資産隠匿もだんだん巧妙になり、国税当局のいたちごっこは永久に続くのだろうか。

★ 推薦図書。
八ツ尾順一著 「富裕層の資産承継と相続税」 ゴールドオンライン新書 2050円
著者から頂いた本だが、大学教授でもあり実務家ならではの相続税とその対策の本である。現状の少子高齢化社会の一人っ子の相続や、子がいない夫婦の問題などを取り上げている。また、過去の数々の脱税や武富士事件、タワーマンションをめぐる税務署と納税者の戦いに裁判所が入った税務訴訟。非上場株式の対策など相続をめぐる富裕層課税の最前線を解説している。相続税をビジネスにしているものにとっては、大変参考になる1冊である。

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