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トランプ大統領の暴露本、アメリカのメディアの扱い

昨日はJuneteenthと呼ばれる奴隷解放日だった(日本時間で土曜日)。ワシントンのデモにはNBLの八村も参加したようだ。日曜日はオクラホマ州Tulsaではトランプ再選の決起集会が行われる予定で、このJuneteenthと重なることでBLM運動家と共和党員が続々Tulsaに集まり、10万人以上の規模になると予想されている。警察は両サイドの衝突を恐れていて、今夜は夜間外出禁止命令が出て、商店街の窓は全てベニヤ板を打ち付けている。

ところで、元国家安全保障問題担当大統領補佐官John Bolton氏による、トランプ大統領の暴露本“ The Room Where It Happened ”がアマゾンランキング1位となっている。来週23日発売予定だが、 $19.95で前売り注文を受付けており、反響の高さがわかるというもの。その内容の一部がWall Street Journalに公開され、中国・習近平に今年の選挙の応援を依頼、また昨年の板門店での金正恩との電撃会談の内幕等々、トランプ氏の私利私欲、無茶苦茶ぶりが暴露されているようだ。

ホワイトハウスは国家機密情報が記載されているとして発売の差し止めを求め、Bolton氏宛訴訟を起こしているのは世界周知の事実。トランプ氏は自分との会話は全て国家機密であり、そのような権限があると豪語しているが、トランプ氏との会話全てが国家機密であることはあり得ず、国家機密以外の件に関して元職員の発言を全て国家機密とするような権限は過去どの大統領も執行していない。そもそもFirst Amendment の言動の自由の違反となる恐れがある。

ホワイトハウスは裁判所に対してこの書籍をレビュープロセスが終わるまで発売を遅らせるか、もし予定通り発売を行うのであれば、トラスト(信託)を作りBolton氏が享受する全ての利益をトラストに入れるよう要求している。専門家は発売が遅れることはないだろうと予想しているが、Bolton氏がもし訴訟に負けるような場合には出版料や著作権料を全て失うことになる。

さて、暴露本“ The Room Where It Happened ”の出版社だが、ViacomCBS社傘下のSimon & Schusterから出版予定だ。Wall Street Journalによると、この出版社のCEO Jonathan Karp氏 は就任してからわずか4週間ほどだが、Bolton氏は彼自身弁護士であり、レーガン大統領の時代から長い間公僕として勤め上げ、何が国家機密であるか、そうでないかがわかっているはずだとして問題視はしていないようである。また、Karp氏はトランプ氏の著書を2冊編集していて、トランプ氏とは懇意ということで、Melaniaとの結婚式にも招待されているほどだ。

そのMelaniaだが、この出版社は既に16日に彼女の自伝“ The Untold Story of Melania Trump, The Art of Her Deal ”を出版している。さらに来月は、トランプ氏の姪がトランプ家の暴露本として書いた“ Too Much and Never Enough: How My Family created the World’s Most Dangerous Man ”が出版される予定。トランプ家の暗い歴史に光を当てるとしている。姪のMary Trumpは、トランプの父親が死亡した際の遺産問題や彼女の父親(トランプ氏の長兄)とトランプ氏との確執等が書かれているという。トランプ一族というのは実は大変な一族というのがわかった。

Simon & Schusterは更に、9月には長い間ワシントンポスト紙の編集部員であるBob Woodward氏がトランプ政権に関する本を出す予定である。Karp氏はアメリカ国民のトランプ大統領に対する関心は非常に高く、特に今年は大統領選を控えており、彼の事をよく理解できるような書籍をどんどん出版していき、選挙前に是非読んでいただきたいと強い意気込みが窺えるが、しかしトランプ大統領に関する書籍は殆ど彼を否定するもので、大統領選挙戦に影響が出るのは否めないようだ。

地裁から判決が出たが、すでにもう何十万部も出版されているのであるから、今から出版の差し押さえをしても無駄だというのが判決。それよりも国家機密を持ち出したBoltonに対しては、国家機密漏えい罪の適用が今後あるとした。トランプの勝ちであろうか

しかし、これを見てもアメリカは偉大な民主国家である。仮に中国人が習近平に関する本を暴露本として出版したらどうなるだろうか。そもそも出版できないだろうが、本人はおろか家族も拘束されて、そのうち行方不明になる。言論の自由のない国、トップの批判ができない国はまだまだある。隣国が批判したからといって軍隊まで動員する北朝鮮。

一方、コロナで対応が悪いといって支持率が下がる首相、言いたい放題で責任を取らない野党、言論の自由は有難い。良い国に住んでいると思わないといけない。

☆ 推薦図書 ☆
相川佳之著 『究極の「三方良し」経営』 アチーブメント出版 1,300円+税
著者は、日本一の美容医療、湘南美容グループを率いている医師であるが、人間力が凄い。相川先生は政治家になったら歴史に名を残す総理になると、私はいつも思っている。この本でも医師が書いたとはとても思えない。その中で、「自分より上の立場の人の力を借りられるか」というのがあって、「基準が高い人は、基準が高い人が好きです。一人の力はしれている。社会的に影響力のある人の力を借りれば、途中の無駄な苦労をショートカットしてゴールに近づける。」と。
成功は三方良しだとし、「お客様良し」最高の医療技術と接遇でお客様の幸せを考える。「スタッフ良し」お客様の幸せをスタッフが誇りに思う。「社会良し」世界最高の医療グループを実現する。
更なる日本一の総合医療グループを目指す組織のリーダーにとって三方良し、圧倒的な一番を目指す強い理念、強い思いを書き留めた本である。若い経営者に勧めたい。

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