2000年の大統領選挙でブッシュとゴアが争ったが、フロリダ州をどちらが制するかが勝敗の分かれ目になった。フロリダは富裕層が多いので有名だが、ブッシュは「私が勝てば、相続税を段階的に下げ、10年後には相続税を撤廃する」とまで演説し、そして勝った。
その10年後が今年2010年である。しかし議会が紛争し、結局、今年死亡すれば相続税はゼロであるが、来年死ねば昔の非課税枠100万ドル(9千万円)に戻り、最高税率も55%になってしまう。富裕層にとってみれば、天国から地獄だ。2011年度相続税法は2009年度の税率及び非課税枠をそのまま延長するという法案が上院で可決されたものの、下院で否決されたまま放置されている。米国の習慣からすると、選挙の年に税法の改正をしたためしがないということなので、そのままになる確率が高い。
ウォールストリートジャーナルに面白い記事が載っていた。富裕層の中には、2009年には何とか
2010年まで生き延びてくれと願っていた家族、癌に侵された母親が余命いくばくもないと言われていたが、懸命の治療で、2010年の1月1日未明に亡くなったストーリーが記事になっている。反対に現在、不治の病で2011年中に死亡するであろうという人が、何とか今年中に死んでくれと願っている家族も多数いるということである。
そこで自殺ツアーという言葉があるとウォールストリートジャーナルは書いている。オレゴン州、ワシントン州では、医者により自殺幇助を法的に認めており、モンタナ州では最高裁判所は認める判決を出しているものの、州民投票により承認が必要とのことである。
ヨーロッパはどうかというと、スイス、オランダも医者による自殺幇助を認めているものの、外国人に対する医者による自殺幇助を認めているのはスイスのみということで、今年の10~12月はスイスで死亡する米国人富裕層が多くなるかもわからないと思われる。日本人には命の次に大事なのは金(カネ)と言われるが、金の方が大事な人もいるということである。
