イギリス、高額所得者民族大移動

英国の予算編成方針(Pre–Budget Report)によると、金融機関で支給される賞与等に対して新たに50%の銀行給与税(Bank Payroll Tax)が課せられることになった。この給与税は2.5万ポンド超の高額賞与に対して適用され、しかも受け取った個人ではなく、雇用主に課される。金融機関で支給される高額賞与に対しては、受け取る者の高額所得税と支払う側の給与税とダブルで課税されることになった。

 
また、税法上の金融機関の定義であるが、銀行はもとより、次の業を営んでいるものも含まれることになった。
 ・入金の受け付け
 ・投資を主たる業務
 ・代理で投資
 ・先物取引
 ・資産の運用
 ・規制を受けた抵当
このことから、税法上の金融機関に該当する業者は限りなく拡がることになってしまった。
 
この結果、英国に本拠を置く欧州最大のヘッジファンド、ブレバン・ハワード・アセットマネジメントのアランハワードはスイスのジュネーブに拠点を移した。さらに、欧州3位のヘッジファンド、ブルークレスト・キャピタル・マネジメントは、同社最大のファンド2本をロンドンで担当していた70人のトレーダーやアナリストをジュネーブに移した。
 
今年4月6日実施の増税で、英国の所得税率は初めてフランスやドイツを抜いて40%から50%に引き上げられた。日本は既に50%である。先ほども日本の国家戦略大臣は所得税や相続税はまだ引き上げる余地があると記者会見で言ったが、あまりにも国際的感覚が欠落している。楽天やユニクロは会社内会話は英語でするようにとした(筆者は賛成できないが)。日本企業もますます国際化の様相を呈してきている。
 

日本の富裕層もいつまでも日本国内で重税に耐えていられるかどうか。いよいよ居住地もボーダーレス化になるのでは。