民主党は租税特別措置法(措置法)は、特定の業種、団体、企業の減税をねらったものであり、措置法を全面的に見直すと昨年政権奪取後に高らかに謳った。しかし、このほど成立した平成22年度税法を見ても措置法の改廃は非常に少なかった。
税法は大きく分けて、本則法(所得税法や法人税法など)と措置法とがある。措置法は時限立法で、その法律の有効期限が限定されている。2年間とか3年間である。したがって、ほとんどの措置法が自動更新化になっていて、これがその措置法導入後、相当期間が経過しその役割を終えているもので、特定の業界や一部の企業のみが恩恵を受けているものがあり、それらを廃止するための法律が民主党がこの前成立させた「租税特別措置法透明化法」(以下「透明化法」という)ということらしい。
平成22年度税制で、自民党時代から受け継いでいる措置法のほとんどが、期限が到来しているにもかかわらず延長された。何故か?答えは簡単である。事業仕分けすべく民主党国会議員のほとんどが税法に無知なのである。
例えば、個人の税金でいえば、今年の改正で揉めた「扶養控除」、これは所得税法84条だから本則法、「寄附金控除」(所78)も所得税法、「居住用財産の買換特例」これは措置法36条、「住宅ローン減税」も措置法、「配当控除」は所得税法、「政治献金の控除」は措置法、「外国税額控除」は所得税法である。つまり議員の先生方は、何が所得税法で何が措置法か区別が全く出来ないのに、措置法のほとんどが悪いと決めつけた。
しかし何がどうかわからないから、透明化法なるものを制定した。この法律は会社が決算の申告書を提出する際、何かしらの措置法を適用しているのであれば「適用額明細書」を作成し、これを申告書に添付せよ。添付しなかったらその適用を認めないとするもの。この明細書はいわばアンケートで、このアンケートに記載されている事項を集計し、実態調査を行うと政府自ら言っている。
これではどうなるどころではなく、これから措置法の可否を審議しようとするもので、マニフェストに書いてあることは何だったのか。しかも会社にとって事務負担が増え、来年の4月1日以後に決算をむかえる会社から強制適用するということなので、アンケートの集計結果、それに対しての国会審議で、いつから措置法に反映されるのか。少なくとも次の衆議員選の後であろう。その時まで民主党の政権が続いていればの話しになった。
