日本人というのは納税意欲に乏しいとよく言われる。税というのはヨーロッパ諸国では何故徴収するかというと、国防のためである。20世紀までヨーロッパは、国入り乱れての戦争が常態化していた。戦費の調達のために税が必要であり、税の使途も戦費がほとんどだった。したがって脱税する者は国の安全を脅かす者であり、非国民と呼ばれ、戦犯者扱いであって、今でも殺人犯には時効があるが脱税犯には時効がない。ついこの前の日米租税条約の締結でも、日本の時効に米国は戸惑った。
平成22年度税制では脱税者に欧米並みに近い罰則規定ができた。脱税犯については、懲役刑の最高が10年に引き上げられ、預った源泉税を税務署に納めなかったいわゆる不納付犯や、源泉税の脱税犯にも大きな刑量を課すことになった。
また義務的修正申告を怠った者にも、最悪懲役刑が課される。これはどういうことかと言うと、例えば、自分が所有している土地が計画道路に引っかかって国に買収されたとする。つまり収用である。この場合、個人としては土地を国に売ったわけだから、売却益から5000万円を特別控除して税金を払うか、あるいは買換えをするかを選択する。国に売却した額以上の土地を買えば、それが何億円であろうと一切税金がかからない。
ところが買換えする新たな土地が見つからなかった場合には、買換えを断念し修正申告書を税務署に提出する。これを「義務的修正申告」という。これは買換えを諦めてから4か月以内に提出しなければならないが、提出を忘れた場合、改正前は税務署に呼び出されて修正申告書を書かされたが、改正後はへたをすると「申告書不提出犯」となり、1年以下の懲役か50万円以内の罰金が科され、前科一犯となる可能性が強い。
ただし、この法律の施行は何故か今年6月からである。鳩山首相も贈与税申告書を今年提出したそうだが、これからは逮捕される危険性もある。小沢さんもとかく言われているので、できれば6月までに結着したいところだ。
