税制改正で小規模宅地課税強化

民主党の税制改正は、どうも資産家にとって頭痛の種になりそうだ。第1弾として「小規模宅地等の課税価格の計算の特例」というのが見直された。これは、親が住んでいた住宅を子が相続した時に、同居の子であれば敷地の240㎡までは80%減額、同居でない子が相続し、そこに住めば200㎡まで50%減額という特例である。これは20年前のバブル時にあまりにも高い路線価に、相続税が払えず、自宅を売らざるを得なかった状況を救うためにできた税法である。その後、路線価が下がったにもかかわらず、そのまま存置していたが、ここにきて、どうやら資産家でない官僚が民主党の税制調査会に囁いたらしい。
 
仮に東京の高級住宅地であると、坪200万円や300万円の住宅地は決して珍しくないので、200㎡で1億5,000万円の住宅地を相続して、50%の減額特例を受ければ7,500万円評価が下がる。税額にして3,700万円余り得になる。ただし、この特例を受けるには、亡くなってから10か月後の申告期限までに住んでいなければならない。住民票を移しただけではダメである。
 

かつてバブル時代、住宅が億円単位で売れた時期があった。居住用の買換特例を使えば税金を払わないで済むケースがある。しかし、居住用となれば住んでいなければ適用されないので、そこに住んでいたことにして申告書を提出し、税金を逃れる輩がたくさん出てきた。国税当局の調査は、実際そこに住んでいるかどうかを確かめるのにどうしたかというと、水道光熱費を調べるのである。住んでいなければ使用量はない。そこで脱税者はアルバイトを雇い、夏でも定期的に電気ストーブを点け、風呂の水を出して、あたかも住んでいるがごとくの使用量を記録させるのである。支払うアルバイト代などは、ごまかす税金に比べれば微々たるものである。もっと念の入った者は新聞まで定期購読し、数日たまればアルバイトが抜きに行くといった具合である。今回の改正で、このような不届き者が出なければよいが。