私は今、日本航空62便で成田に向かっている。マイレージを使い果たそうという客で一杯だ。ちょうど一週間前に知人が米国から帰国した日、持参されたカリフォルニアワインをオークラでいただいた。久しぶりのシルバーオークは長い旅のせいか、はじめは味がとんだところがあったが、次第に落ち着いて、さすがナパバレーの一級品だと感心したものだ。今回はLAからサンフランシスコ経由でナパバレーに入るが、いつもながらの節税対策をする超富裕層でごった返しているのであろう。
先ほどのウォールストリートジャーナルにはUBSと米国政府との例の騒動について、その後をかなり詳しく書いていた。米国はUBSに口座を持つ米国人富裕者は、当局が摘発するまでに自首してきた者(10月15日が期限)は悪質であっても収監はしない。お上にも慈悲があるとした報道をした。スイス政府は今回、2010年8月までに残高100万スイスフラン以上の怪しい口座を開示すると発表した。一方、米国政府は、自首してきた米国人は当初の予測(7500人)を遥かに超える14700人が出頭してきたとし、締め切りの3日前からは、IRSは出頭してきた人でごった返し長蛇の列ができたとしている。
しかし、あぶり出し効果が出たものの、まだまだ不充分で、議会筋は強硬姿勢を崩していない。今回、和解契約書に添付されていたANNEX(抽出基準を記載したもの)には不満が多く、スイスの銀行は未だに秘密を保持しようとしている。このANNEXの抽出基準によると、25万スイスフラン以上が対象とハードルは低く設定していて、怪しい口座、つまり嘘の策略(Scheme of Lies)をはかった直接、間接の口座とされている。具体的には携帯電話、クレジットカード番号など特別なアクセスの仕掛けが施され秘密性を高める口座や、口座開設にあたり米国市民権を開示しなかったような口座も含むとしている。また、1998年から2008年の内どこか3年間で、年平均10万スイスフランの利息、配当、キャピタルゲインがあった口座も抽出対象となっている。
世論によると、まだまだ出頭していない者が多いが、このような対策をとることでスイスに秘密口座を持つ米国人は少なくなるとみている。一方、我が国は相変わらずシンガポールや香港に出金している者が後を絶たない。日本政府は何もしないと思っているのだろうか。米国のまねを必ず国税庁は行うのである。もうすでに尻に火が付いてる者がいるが火傷するまでわからないのである。相変わらず情報不足な日本人の富裕層である。
