自民党は従来、政府税制調査会、自民党税制調査会を経て新年度税制を成立してきたが、民主党は藤井財務大臣を会長とする税制調査会のみで、新税制を立ち上げることになった。筆者は実は今、太平洋の上空を飛んでいるのだが、来年度税制には、搭乗機JALと同様の不安を抱いている。弱者を救う、低所得者に厚い保護という、本来競争社会であれば当然、強い者、弱い者、勝者、敗者、富裕層、貧乏人が存在するのが当たり前だが、自然の生態系を崩してでもフラットな社会を構築するという。今までの社会主義国でも見なかった世界が創出されようとしている。
「配偶者控除」や「扶養控除」はなくし、「子ども手当」へと転換する。所得控除は高額所得者ほど助かる税金の絶対額が大きいという理由である。サラリーマンには給与所得控除というのがある。つまりサラリーマンの必要経費を一定額認めているのである。何億円給与収入があっても、5%はこの必要経費を認めてくれるが、民主党は収入が高いサラリーマンは所得控除額がそれほど要らないのではないかという。しかし会社での地位が上がれば、冠婚葬祭費用も平社員と同額というわけにもゆくまい。相続税の税体系に至っては、「本人の努力なしに築き上げた財産」は社会に分配すべきだと言い切っている。高額所得者や資産家で、この前の衆議院選挙で民主党に票を入れた人は、後悔するのではないだろうか。
唯一おもしろいのは酒税。ビールから発泡酒や第二ビールだとか出現したのは、理由は一つ、酒税の重さからだが、民主党はアルコール度数に応じて酒税を上げてゆくという。「致酔性」と呼んでいるが、日本酒なら3本、ビールなら6本、ウォッカなら3杯で酔う人がいるとすれば、それはアルコール度数によるわけで、酔っ払うには何を飲んでも払う酒税が一定になるようにするのだそうだ。これは、民主党の幹部に酒好きが集まっているのと無縁ではないはずだ。
