相続税・贈与税はどうなるのか。日本は相続税・贈与税は遺産取得課税方式である。つまり相続人が遺産を取得した時点で課税、取得した時点で法定相続したとして課税するのである。その相続人の各人の税額の合計額が相続税の総額であり、実際に取得した遺産額によって按分計算することになる。したがって、兄弟姉妹間でどう遺産を分割しようと、納める相続税の総額は同じであるが、相続人が多いほど一人当たりの法定相続分が少なくなり、累進課税である相続税額は、同じ遺産額を残しても少なくなる。
一方、米国などは相続人数に関係なく、死んだ人の遺産額に対して相続税が課されるという遺産課税方式である。民主党案では、相続税は米国方式に変わる。遺産そのものに課税するので、従来まで節税対策としてきた養子縁組なども功を奏さない。なぜ遺産課税方式になるのかについては、「富を社会に還元するため」としか言っていないが、今までの相続税課税方式では、富を社会に還元していないということであろう。かなりの課税強化が予想される。
消費税については5%の税率を4年間上げないと明言していて、大衆迎合の感は歪めない。ただ、今の消費税法では、売上が1000万円以下だと免税になる。つまり消費税を客から取っておきながら、国に納めない。さらに資本金が1000万円以下だと、設立後2年間は消費税を免税される。これらを益税というが、この税額はバカにならない。年間2兆円以上にのぼるとされる。そこでインボイス制度、つまり仕入れ税額控除の際に消費税額を明示した請求書等の保存を義務付ける制度を導入し、益税の出ない、消費者の負担した消費税が適正に国に納税される制度を導入する予定である。
そして低所得者保護のため、「給付付き消費税額控除」を導入する。年間の生活に関わる消費(つまり、食材やガス・電気代など)の支出にかかる消費税額を所得税から税額控除し、控除しきれない部分については給付するという。要するに、生活保護家庭などには、今までの生活保護費だけではなく。日常の支払った消費税を返してあげます、ということになる。貧者にとっては本当にありがたい国になる。
次に法人税を考えると、中小企業の法人税率は年利益800万円まで22%であったのを、麻生内閣で18%に下げ、さらに鳩山内閣では11%に下げるとしている。中小企業にとっては、税負担が大変少なくなったが、中小企業のうち80%が赤字なので、どこまで効果が上がるのか。それより喜ばしいのは、オーナー経営の会社は代表者報酬が損金になり、さらに代表者も給与所得控除を受けられるとあって、二重控除だとされていたのを、民主党の案では、この損金不算入制度が廃止されることになった。多くの中小企業オーナーが民主党に投票した結果か。
いずれにしても、官僚主導ではない税体系を目指しているのであるから、今のところ実際税制はどうなるのか、予断を許さない。を更新しました。
