個人の所得税については高額所得者に対する課税強化を打ち出す。まず、低所得者から高所得者に共通の所得控除(扶養者控除や配偶者控除など)を整理する。例えば子育ての扶養控除は38万円だが、高所得者は結果として10万円を超える減税になるのに対して、低所得者は2万円にもならない。したがって、人的控除については「控除から手当へ」の転換を進め、「配偶者控除」「扶養控除」から「子ども手当」へ転換。
年金課税は「公的年金等控除」「老年者控除」を平成16年以前の仕組みに戻し、65才以上の「公的年金等控除」は現行の120万円から140万円に引き上げ、廃止された「老年者控除」の50万円を再び登場させることになった。
「住宅ローン減税」については現行の10年間で500万円や600万円ではなく、バリアフリー化や省エネなどの社会ニーズの高い分野に対して重点的に転減措置を拡充するので、新築よりもむしろ中古住宅の修繕にローン控除が移行するのである。
次に生活保護については、
①基礎控除(38万円)に替わり「低所得者に対する生活支援を行う給付付き税額控除」を創設
②消費税の逆進性緩和策として、生活に関る消費税支出を所得税から控除、尚、控除し切れない部
分については、給付する「給付付き消費税額控除制度」を創設
③労働意欲をかきたてるため、就労時間の伸びに合わせて「給付付き税額控除」の額を増額させ、就労による収入以上に実収入が大きく伸びる形で「就労を促進する給付付き税額控除制度」を創設
以上の①~③を実施するにあたって、不正還付や不正受給を防ぐためにも納税者番号制度の導入が不可欠と言っている。
所得課税についての民主党案は上記のようであるが、低所得者の保護、老年者への優遇、高所得者への課税強化が柱になっている。特に低所得者には、払った消費税までも取り返してあげますよ、としている。なんだか、怠惰に生活している者に対して安住の地を与えている反面、一所懸命働き高収入を得ようとしている者に対してはどのような印象を与えるのか。
次回は相続税・贈与税を書く。
