民主党になって、税制はどう変わる(1)

圧倒的多数で勝利した民主党。長い間、自民党は税制調査会で翌年度の税制を作り上げてきたが、民主党は法案決定過程でそういうのは不透明だとして政府税制調査会、与党税制調査会、それに経済財政諮問会議を全て廃止する。そして、財務大臣の下に民主党議員を委員とする新政府税制調査会を発足させ、あるべき税制を審議してゆくとしている。

 
税制は各官庁、各産業、地域、団体など利害が衝突するところであり、常にもめる。かつて自民党には山中貞則という有名な税調のドンがいた。大蔵省をはじめ各省庁、それに族議員が彼に陳情に及んだ。大蔵大臣はもとより首相でさえ、頭が上がらなかったのである。権力もさることながら実に税制を知り尽くしていた。所得税、法人税はじめ、わが国には55種類もの税法が存在するが、長年にわたり勉強をしていたのであろう。
 
税理士でさえ資格を取得してから、一人前になるには10年を要す。税法は複雑難解なのである。弁護士は税法を避ける。条文の多さと、たとえば、計算式を縦書きの法律用語で書くのだから、それを読みこなせないのである。税法を読みこなす近道は立法趣旨を理解することから始まるが、60年前のマッカーサー統治時代からシャープ博士の税制がわが国の基本となっている。何よりもその税法が成立した時代背景を思い浮かべないと理解できない。
 

民主党は議員だけをメンバーとする委員会に、税の専門家から助言をもらう「専門家委員会」を設置するようだが、小沢チルドレンをはじめとして、当選一回議員が半数を占める民主税調で新税制がきちんと論議できるのか大いに不安がある。マニフェストにあるように、租税特別措置法は透明性を高めるため抜本的見直しをすると言っている。しかし現在ある措置法は膨大なため、検証は短時間では無理である。民主党が見直すと言っている「法人税率」「老年者控除」「ガソリン税」「住宅路ローン控除」など、民主党の新議員に「このうち租税特別措置法に規定してあるのはどれでしょう」と言う質問をするのは、あまりにも酷か?