UBSの次はヘッジファンド、米IRS

ウオールストリート誌に「UBSの次はオフショアのヘッジファンドがターゲット」だという記事が掲載された。

 
その中で、今回の一連のIRS(米国税庁)の富裕者の租税回避摘発のターゲットになったUBSは始まりに過ぎないと述べている。いままで海外の口座所有についてはFBAR(エフバー:Foreign Bank Financial Account Report) の提出義務があることを述べたが、これには弁護士会の中でもオフォショアのヘッジファンドは含まれないというIRSとのコンセンサスがあった。ところがIRSは今年6月末のファイル期限前になり、海外のFinancial Interestも含まれ、この中にはオフショアヘッジファンドも含まれるという見解を突然出したため、慌てた弁護士会や会計士会、ヘッジファンドのロビイストたちはIRSへ抗議し、1年間のモラトリアムをリクエストしたが、結局IRSはその期限を9月23日まで引き伸ばしただけである。
 
議会では米国銀行口座から海外口座に移転する資金について、金融機関に逐一IRS宛報告義務を負わすような法案を考えており、今後、ヘッジファンドや海外の金融機関をターゲットにし、それらの金融機関を利用して税金逃避を図ろうとする米国納税者を見つけ出そうというわけだ。
 
しかしながらヘッジファンドやオフショアの金融機関自体には直接規制は利かず、プレッシャーをかけることは難しいようである。そこで、例えばケイマンでは、ケイマンのオフショアヘッジファンドではなく、ケイマン島の政府を脅すのである。例えば、米国財務省が金融機関に働きかけ、特定のオフショア海外司法管轄圏で発行されたクレジットカード取引の引き受けを禁止すること。あるいは、オフショアの銀行秘密法がある司法管轄圏内における外国の口座にあるお金は(米国納税者がそれに反する証拠を提出しない限り)全て課税する。
 

この提案ではオフショアの銀行秘密法がある司法管轄圏はケイマン島、アンチグア、バハマ、リヒテンシュタイン等の34カ国が該当し、益々オフショア口座の利用が制限される。これで、ヘッジファンドだけでなく、ヘッジファンドの投資家もいつIRSがやってくるかと恐怖にさらされる。(ただ、記事では殆どのオフショアのヘッジファンドは、そもそも慈善団体やペンションファンドに投資するのは非課税ファンドが多いのではないかという意見もでていた。)