このたび国税庁が公表したところによると、法人税や所得税、消費税などの国税の滞納額が前年比1.8%増の8,988億円となった。新規発生した滞納を税目別に見ると消費税が最も多く4,118億円、逆に所得税が3.1%減の1,681億円(これは景気後退で申告所得が減少したため)となっている。国税庁は滞納が増えた原因について「不景気で法人個人とも資金繰りが悪化したため」と言っている。しかし不景気だけが原因だろうか?
国の税収は年間40兆円をはるかに超える。いかなる巨大企業も及ばない。民間企業であれば、納品し請求書を出し、お金を受領する。そして領収書なりを発行して一連の取引が完了する。一方、税金はどうかといえば、日本は自主申告納税制度であるので、法人なり個人なりが、定められた期限内に申告し納税を済まさなければならない。一日でも遅れるとペナルティーがかかる。不申告加算税、延滞税などなど・・。
納税が遅れると差し押さえなどと脅されるが、期限内に納付しても礼状の一枚も来ない。せめて納税者に送付される毎年の申告書に「前年は期限内納付にご協力いただき有難うございました。」ぐらいは書くべきだ。私は日本の税務署ほど納税者に対しての「感謝の気持ち」のないところはないと思う。景気悪化で苦しんでいる会社が消費税を遅れもせず完納すれば「赤字であるに関わらず、きちんと消費税を納めていただき誠に有難うございます。」の一言でも言えばどれくらい納税者が納め甲斐があるだろう。
財務官僚も天下国家を論じるのは長けているが、末端の納税者の気持ちまで分かるまい。多額納税者に毎年「税の日」ぐらい税務署長に挨拶回りでもさせてもバチは当たらない。要するに法律や規則でいくら納税者を縛っても「納税意欲」がわかないのである。自民党や民主党のマヌフェストを見ても税の数字は見ているが、税を納める人の顔を見ていない。つまり本当の意味での苦労した官僚や議員は少ないのではなかろうか。
