以前のブログに書いた米国司法省による、海外での租税回避を意図してスイスUBS銀行などで資産運用している者は自主的に9月末に名乗り出なさい。そうすればお上にも慈悲があるとして、加算金と延滞税だけで済ます、つまり罪一等減じるという訳だ。もし期日までに名乗り出ないで後日発覚すれば犯罪者となり、場合によっては収監すると脅した。
ウォールストリートジャーナル誌によれば、自発的に名乗り出た米国人はかなりの数になり、IRS(米国税庁)はこのため手一杯になっているというのだ。先週だけでも400名が修正申告に訪れたそうだ。自主的に修正申告すれば犯罪者扱いされないのが主な原因だが、もう一つの要因は現在、マイアミ裁判所で争っているIRSとUBSの問題。昨日UBSの弁護士は、和解に近づいており非常に前向きで実りのある議論(Productive Discussion)が行なわれているが、合意に至っていないとコメントしている。一方IRSの弁護士は、合意には程遠いと言っている。裁判官は金曜日の朝(もう直ぐ)にもう一度裁判を開き、両者より話を聞き、そこで和解ができなければ次の月曜日に開くとして、相当焦っている。
つまり、この問題は大きな広がりを見せており、ついにヒラリー・クリントンとスイス政府とで懸案事項として話し合われることになっており、事務方では、スイス政府はスイスの法律に基づいて顧客データを外部に引き渡すことを禁じていると原則を主張するが、顧客に詐欺行為が認められる場合は、その顧客データ引き渡してよいという。
以上のことから、IRSに捕まるまでに自主的に修正申告を提出したいという人々でごった返しているが、この修正申告のフォーム(Offshore Voluntary Disclosure)がおもしろい。新しいフォームでは、IRSの犯罪捜査官により面談にて収集される情報の縮小版であり、その中で海外口座の最も多かった時の残高と、それに関連した申告漏れ収入を2003年から2008年の間で記入することになっている。更にはその資金がどこからきたのか、どのように口座は開設されたのか、誰が口座開設を手伝ったのか、どのようにしてその銀行と接触を持ったのか等を記入しなければならない。つまりこれは、税金逃避を手伝ったコンサルタントを発見するためのものである。
UBS銀行の顧客が恐れているのは、このコンサルタントが発見されることである。この場合には犯罪者として取扱われるからである。また、自主的に名乗り出るため、IRSに対して必要以上の情報を提供する羽目にもなる。最も恐れているのは、これは恩赦のプログラムではないので情状酌量もなく、ただ墓穴を掘ることになるのではないかと・・・。今まで海外を使って租税回避をしてきた富裕者達は生きた心地がしていない。オバマを恨んでいるかもしれない。
