アメリカの富裕層5万2000人が秘密口座を持っているUBSの銀行に対し、アメリカのIRSが開示を要求してマイアミ連邦地裁に訴えを起こしている。これに対して、前回のブログで書いたが、7月13日(日本時間14日)に判決がおりる前に、スイス政府は、例えUBSが判決で負けてもスイスの銀行はスイス政府が守るから、顧客名簿などはIRSに開示する必要はないとして、スイスの国内問題、スイスの法律にアメリカは干渉するなとスイス政府異例の公式発表をした。
これに対し、判決を前に、CBSマーケットウォッチというビジネスウェブサイトの記事によると、UBSの問題は当初、IRSとUBSというスイスを本店とする銀行、つまり一行だけの問題であったのが、スイスとアメリカという国と国の問題に発展してきた。子供同士の喧嘩が親同士の喧嘩になってきた。それで、日本人としては理解できないことだが、判決を前にマイアミ連邦地裁の裁判官は困惑しているという。それは二国間の問題なので政治的友好的に解決できないものかと、アメリカ政府に打診しているというもの。これはマイアミ連邦地裁がUBSに対して顧客名簿を開示せよという判決を下した場合、スイス政府が言うとおり、UBSがそれに従わないということなので、アメリカ政府が取る手段はUBSの米国内にある資産を凍結するか、UBSの資産を管財人の管理下に置くか、あるいは他の手段を講ずるのか、13日に判決がおりるその前の12日(日曜日)までに裁判所に知らせてくれと要請したのである。
これに対しロイター通信によれば、UBSはこの裁判で負けるのがわかっているので、5万2000人の顧客名簿を開示しない代わりに、和解金を55億ドルまでなら支払う用意がある旨、裁判所に通知しているとか。
日本とアメリカの裁判の制度が異なるといえ、全て金で解決できる国と、あくまで顧客を守る守秘義務を敢行するのがスイスの信用だという価値観の違いもあって、どのような判決が出て、その後どのようになるのか目が離せない。
