オバマの相続税法案

やっとオバマが大統領に就任した。これほど国民が待ち焦がれた大統領は、アメリカ史上初めてであるとメディアが書いている。しかし昨日も「イスラエルを全面的に支持する」と彼は言い放った。これではブッシュもその前のクリントンとも変わりはない。チェンジを標榜して登場したが、ギアチェンジぐらいで終わりそうな感じだ。

 
ところでアメリカの相続税だが、個人、法人、アメリカのあらゆる税法の中で税率は最も高い。ちなみに税率を表示する(連邦税のみ)。
 
    ■ 統一移転税率表(Unified Transfer Tax Rate Schedule)

課税価額
課税価額
税額
加算課税
From(1)
To
Tax on(1)
Excess over(1)
0 
10,000以下
0 
18% 
10,000超
 20,000  
1,800 
20% 
 20,000 
40,000  
3,800 
22% 
40,000 
60,000  
8,200 
24% 
60,000 
80,000  
13,000 
26% 
80,000 
100,000  
18,200 
28% 
100,000 
150,000  
23,800 
30% 
150,000 
250,000  
38,800 
32% 
250,000 
500,000  
70,800 
34% 
500,000 
750,000  
155,800 
37% 
750,000 
1,000,000  
248,300 
39% 
1,000,000 
1,250,000  
345,800 
41% 
1,250,000 
1,500,000  
448,300 
43% 
1,500,000 
2,000,000  
555,800 
45% 
2,000,000 
+   
780,800 
45% 

 
200万ドル(約2億円)を超えると45%という税率なのでかなり高い。しかし日本の相続税は50%ともっと高いと思われるが、米国は連邦税の他に地方税としての相続税もある。
 
9年前(2000年)のアメリカ大統領選を思い起こしてほしい。当時はブッシュとゴア前副大統領との一騎打ち。川中島の決戦ではないが、フロリダ州を制した者が勝利するとまで言われた。フロリダ州と言えば、全米で一番の富裕層が固まっている地域だ。そこでブッシュは相続税の減税を公約に掲げたのだが、当時は相続税の最高税率は50%超であった。それを毎年1%以上減税してゆく、そして10年後の2010年には相続税を無くしてしまうという思い切った案だった。それには富裕層が飛びついた。結果、不利であったフロリダをブッシュは制した(しかし、最後まで勝ったかどうか分からず一週間を要したが)。
 
少し話が難しくなるが、相続税額を算出するためには、税率の他に基礎控除(米では非課税枠)というのがある。以下はアメリカ相続税法の非課税枠を年次で表わした。
 
    ■ 統一移転税額控除

統一移転税額控除枠
非課税枠
2004
$555,800 
$1,500,000 
2005
$555,800 
$1,500,000 
2006
$780,800 
$2,000,000 
2007
$780,800 
$2,000,000 
2008
$780,800 
$2,000,000 
2009
$1,455,800 
$3,500,000 
2010
0 
廃止 

 
ブッシュ就任時の非課税枠は100万ドルだったが、年を追うごとに非課税枠は拡大し2004年には150万ドル、2006年は200万ドル、2009年には何と350万ドルとなり、2010年に相続税は廃止となる法律が可決した。これには資産家は歓喜し、2010年に亡くなる資産家は子々孫々に至るまで感謝されるであろうとまで言われた。
 
しかしオバマは就任後、相続税について2010年を待たずに、2009年の350万ドルの非課税枠と45%の最高税率を2010年度以降も継続する法律を早々の国会で上程すると発表した。これは財政上やむを得ないところだ。日米欧同じなのである。法人税、個人所得税ガタ減り、残るは資産家だけである。アメリカの資産家はヌカ喜びで落胆の色を隠せない。日本の資産家は増税されようが静かだが、アメリカ人はそうは行かない。アメリカの資産家をイジメるのは過去の歴史からみると危険である。オバマの周辺警護は更に強固にされなくてはならないだろう。