懲りない宗教法人の脱税

ミネラルウォーターではないが、宗教法人が水を入れたボトルを販売、これは宗教活動の一環ではなく収益事業だとして17億円の申告漏れを国税局から指摘された事件。この水はコンビニなんかで売っているものと異って、5合瓶(0.9リットル)1本を3800円で売っていた。この瓶のラベルは「紀元水」と書いてあり、宗教法人紀元会の創設者(2002年死亡)が「神の声を受けて発見」したという霊験あらたかな水とされ、「自ら救いを求めて来る人々のみに与えられる自然の無菌水」としている。不特定多数の者に販売するものではないが、宗教法人紀元会の会員に販売していた。

 
関東信越国税局によると、水を販売して集めた現金は事実上、創設者の三女(事実上の後継者)が個人で管理しており、個人の事業所得として申告すべきだとしている。しかし宗教法人が宗教活動で集めたお布施などはすべて、法人税法、所得税法上の非収益事業にあたり非課税となる。ここまで厳しく課税するとなると、現在認められている宗教法人のほとんどがこの規定に抵触していると思って差し支えない。宗教法人紀元会の落ち度といえば、販売価格を設定したことである。以前、このブログでも書いたが、ありがたいお布施の対価は、受け取る者の志で決まるべきであって、それでこそお布施なのである。神の声を受けて汲み取られたお水が「いくら」と言ってはいけないのである。それを3800円で売ったことに問題がある。売上のほとんどに課税された、つまり「水商売」なので、仕入原価はほとんどなかった。
 

宗教法人紀元会はこれを不服として裁判に打って出るとしているが、無駄なことだと思える。記憶力のある人はピンとくるだろうが、宗教法人紀元会は昭和45年に設立されたが、昨年(2007年)に集団リンチ事件が発生して、創設者の次女ら26人が傷害致死罪などで起訴され、今年全員が有罪判決を受けた。日本の課税当局を始めメディアも、一度このような事件を起こした個人・団体等には冷たい。このような犯罪歴のある宗教法人に脱税容疑をかけようが、再度刑事告発しようが世論は守ってくれない。勝てば官軍の通り、日本の権力側は強い者の味方であるので、この宗教法人側の異議申し立ては空しいものと思われる。それよりも、「申し訳ありませんでした。知らないことといえ、税法に違反し、皆様にご迷惑をおかけました」として、重加算税を逃れる方に精力を傾けたほうが得だと思われるのだが。