同棲の解消に財産分与をした時の税金は?

もはや離婚は芸能人や一部の人達の特権ではなくなった感がする。最近は普通の家庭でも見られるようになった。離婚率の上昇傾向に加え、いわゆる熟年離婚の増加が顕著である。従って、財産分与や慰謝料の金額も高額になりつつある。慰謝料は離婚に伴うものがよく知られるが、その他交通事故や不当解雇に伴うものもある。どちらにしろ、慰謝料を受け取るものには税金がかからない。

 
ただし、「財産分与」と「慰謝料」とは性格が異なる。財産分与は税法上は「贈与」である。しかし、結婚してから破綻するまで二人が共同して額に汗して蓄えたものを、離婚に際して分けるという意味から、慰謝料は特に「非課税」とされている。財産分与としてもらう方は非課税なのだが、あげる方に課税上の問題がある。分与する財産が現預金であれば問題はないのだが、不動産等の場合には税法上は時価で相手方に売ったことになる。つまりあげた方に不動産の譲渡所得が発生する場合がある。財産分与で特に多いのは自宅。自宅の場合は居住用財産の譲渡ということで、譲渡益から3000万円の特別控除が可能なので、税金がかかる場合は少ない。
 

日本では夫婦という関係は、法律上、必ず籍を入れていないと認められない。フランスなんかと異なり、形式で判断する。20年以上別居していても籍が入っていれば法律上は夫婦であり、20年以上同棲していても籍を入れていなければ他人関係だ。最近、財産分与や慰謝料を巡る裁判で、入籍していない男女の争いが多くなっている。未入籍の同棲を「事実婚」というのだそうだが、事実婚でも財産分与を受け取れる場合が多くなっている。そうすると、税法では財産をもらう方に贈与税が発生することになる。事実婚でも二人で蓄えた財産を分与してもらうのに、贈与税がかかるのは不合理だ。しかし事実婚の財産分与まで贈与税非課税としてしまうと歯止めがかからない。そこで贈与税非課税とするには、ただ一つ。裁判にかけることである。つまり「民事訴訟等、また訴訟に準じた和解等によって、民法上の財産分与請求権が発生している事実が認められる」のであれば、離婚に伴う財産分与と同様に扱うと国税庁は言っている。これは重大なことである。事実婚はおろか愛人関係にある場合にも、民法上の財産分与請求権が認められるのであれば、贈与税は非課税となるのである。いよいよ日本もフランス的になってくるのだろうか。